院長コラム
目次
線維芽細胞治療とは?
線維芽細胞は、真皮層に存在し、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を作る細胞です。
加齢や紫外線ダメージで数が減り、働きも低下することでシワやたるみが進みます。
線維芽細胞治療は、自分の耳の裏から皮膚を少量採取し、認可施設で細胞を培養・増殖させ、再び肌に注入する再生医療です。
切らずに自然な若返りが得られることから注目されており、手術を避けたいけれど若返りたい方に有効です。
詳しい治療の流れや効果については、下記の記事でご紹介しています。
詳しくは
線維芽細胞再生医療で叶える自然な若返りと効果の全貌
をご覧ください。
線維芽細胞治療と料金の考え方
「かなり高額なのでは?」と思われがちな線維芽細胞治療。
しかし実際には、ヒアルロン酸注入を複数回繰り返す場合と大きな差がなく、費用対効果を考えるとむしろ選択肢に入りやすい治療です。
ここでは、初期費用・注入単価・保存費用・部位別の必要量まで整理してご紹介します。
初回に必要な費用
血液検査代
培養前に感染症チェックを必ず行います。
対象:B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV-1など。
料金目安:約1万円
細胞の採取と培養費
耳裏から皮膚を採取し、認可施設で培養。プラン例:
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バンク20(約2億個):26万4,000円
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バンク60(約6億個):49万5,000円
- バンク120(約12億個):89万1,000円
- バンク140(約14億個):160万5,000円
数字は「1cc=1000万個」で換算した本数を意味します。
バンク20=20cc分、バンク60=60cc分を確保できる計算です。
当院ではバンク20かバンク60で検討される方が多いです。
【部位別】注入時にかかる費用
1ccあたりの料金
1cc(1000万個)あたり 約15万円。
部位ごとの必要量
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目元のみ:1cc(15万円)
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目元+ほうれい線:2cc(30万円)
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顔全体:4cc前後(60万円)
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首のシワ:1〜2cc(15〜30万円)
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デコルテ:2〜3cc(30〜45万円)
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手の甲:両手で2cc(30万円)
治療部位により必要量と費用が変動します。
注入方法について
当院では、培養した線維芽細胞の注入において 「手打ち注射」 と 「水光注射(メソガン)」 の2つの方法をご選択いただけます。治療部位や患者様のご希望、痛みの感じ方などに応じて最適な方法を提案しています。
手打ち注射(ドクターによる1本ずつの注入)
メリット
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医師が深さ・角度を調整でき、ピンポイントに注入可能
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効果を出したい部位(法令線や目元など)に集中できる
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細胞のロスが少なく、効率的に注入できる
デメリット
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複数回注射するため、痛みやダウンタイムがやや強い
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広範囲を均一に打つには時間がかかる
水光注射(メソガン機器による注入)
メリット
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均一に浅い層へ広範囲に細かく注入できる
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施術時間が短く、顔全体をカバーしやすい
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痛みが少なく、比較的受けやすい
デメリット
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細胞が一部漏れるリスクがあり、ややロスが生じる
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深いシワやスポット的な改善には不向き
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効果を狙った部位集中では手打ちに劣る
線維芽細胞の保存費用
余った細胞は凍結保存が可能。
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年間管理費がかかります。
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保存細胞は翌年以降も利用可能
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年1回の注入で効果を長期維持他治療との費用比較
線維芽細胞治療は一見高額ですが、ヒアルロン酸やPRPと比べても実は割高ではありません。
治療法 効果 メリット デメリット ヒアルロン酸注入 即効性あり。持続6〜12か月。 短時間で効果。溶解可能。 繰り返しが必要。不自然さのリスク。 PRP療法 自己血液由来で細胞を刺激。 自己由来で安全。肌質改善。 効果に個人差。複数回必要。 線維芽細胞治療 細胞を補充しコラーゲン産生を回復。 自然な仕上がり。年単位の持続。 初期費用が高い。培養に時間が必要。 注意点と制度的背景
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痛み対策:部位によっては麻酔やメソガン併用。
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料金体系:クリニックごとに差があるため要確認。
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制度:線維芽細胞を用いた培養・移植治療は、法律上「第二種再生医療等提供計画」に区分され、認可を受けた医療機関でのみ提供が可能です。
当院は厚生労働省に計画を届け出て承認を受けており、安全性と信頼性を確保した体制のもとで治療を行っています。よくある質問(FAQ)
Q1. 線維芽細胞治療はいくらかかりますか?
A. 初期費用26〜50万円、注入は1ccあたり約15万円です。Q2. 効果はどのくらい持続しますか?
A. 数年単位で効果が続き、年1回の再注入で長期維持可能です。Q3. 高額な治療ですか?
A. ヒアルロン酸を繰り返す費用と大差なく、自然な仕上がりを考えるとコスパの高い治療です。Q4. 保険は使えますか?
A. 美容目的のため自由診療となり、保険適用外です。 - 動画は以下から視聴が可能です。
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監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2025.08.26