院長コラム
ワキガの臭いが気になって、人との距離感に悩んでいませんか。制汗剤やデオドラントでは十分に抑えられず、根本的な対策を探している方も多いのではないでしょうか。ワキガ治療の選択肢のひとつとして注目されているのが、ボトックス注射です。メスを使わず短時間で施術が完了するため、手術に抵抗がある方にも選ばれています。しかし、実際にどの程度の効果があるのか、持続期間はどれくらいなのかといった疑問を持つ方は少なくありません。この記事では、ワキガに対するボトックス注射の効果や持続期間、治療の流れ、費用の目安まで、リノクリニック東銀座の診療経験に基づいて詳しく解説します。治療を検討するうえで必要な情報を網羅していますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
・ワキガに対するボトックス注射の効果とそのメカニズム
・ボトックスの持続期間と効果を長持ちさせるポイント
・治療の流れや費用の目安、保険適用の可能性
・ボトックス以外のワキガ治療との比較
目次
ワキガへのボトックスの効果とは
ワキガの原因は、脇の下に多く分布するアポクリン腺から分泌される汗にあります。この汗自体は無臭ですが、皮膚表面の常在菌によって分解されることで、独特の臭いが生じます。ボトックス注射は、ボツリヌストキシンというたんぱく質を脇の皮下に注入する治療法です。ボツリヌストキシンは神経と汗腺の間の信号伝達を一時的にブロックし、汗の分泌量を大幅に減少させます。
エクリン腺とアポクリン腺への作用
脇にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類の汗腺が存在します。ボトックスは主にエクリン腺からの発汗を強力に抑制する作用があります。アポクリン腺に対しても発汗を減少させる効果が報告されており、汗の量が減ることで常在菌による分解も抑えられ、結果的に臭いの軽減につながります。当院の医師によると、施術後に汗の量が約70から80パーセント程度減少したと実感される方が多く、臭いについても大きな改善を感じるケースが多いとされています。ただし、ボトックスはアポクリン腺そのものを除去するわけではないため、重度のワキガの場合は効果が限定的になることもあります。効果には個人差がありますので、事前のカウンセリングで症状の程度を確認することが重要です。
ボトックスの持続期間と再施術
ボトックス注射の効果がどのくらい続くのかは、治療を検討するうえで最も気になるポイントのひとつでしょう。一般的に、ワキガに対するボトックスの持続期間は約4か月から6か月程度とされています。施術後2日から3日ほどで効果を実感し始め、1週間から2週間で効果がピークに達します。その後、時間の経過とともに神経伝達が徐々に回復し、汗の分泌量も元に戻っていきます。
持続期間に影響する要因
持続期間には個人差があり、いくつかの要因が関係します。まず、ボトックスの注入量が適切であるかどうかが重要です。注入量が少なすぎると効果が短くなる可能性があります。また、代謝が活発な方や日常的に激しい運動をしている方は、ボツリヌストキシンの分解が早まり、持続期間がやや短くなる傾向があります。当院での診療経験では、初回施術よりも2回目以降の施術のほうが効果の持続期間が長くなるケースも見られます。年に1回から2回の定期的な施術を継続することで、安定した効果を維持している患者さまも多くいらっしゃいます。特に汗の量が増える夏場に合わせて、春先に施術を受けるスケジュールが人気です。
効果を長持ちさせるポイント
ボトックスの効果をできるだけ長く保つために、施術後の過ごし方にも注意が必要です。施術当日は激しい運動や長時間の入浴、サウナなどは控えてください。血行が促進されるとボトックスが拡散しやすくなり、効果に影響を及ぼす可能性があります。施術後1週間程度はマッサージなどで施術部位を強く刺激することも避けましょう。また、飲酒も当日は控えることが望ましいとされています。
ボトックス治療の流れと費用目安
リノクリニック東銀座でのワキガに対するボトックス治療は、カウンセリングから施術完了まで非常にスムーズに進みます。所要時間は施術自体で約10分から15分程度です。
治療の流れ
STEP 1|カウンセリングと診察
医師がワキガの症状の程度を確認し、ボトックス治療が適しているかどうかを判断します。汗の量や臭いの程度、過去の治療歴などを詳しくヒアリングし、最適な治療プランをご提案します。
STEP 2|注入部位のマーキング
脇の下の汗腺が集中している範囲を特定し、注入ポイントをマーキングします。均一に効果が出るよう、細かく注入位置を設定します。
STEP 3|麻酔と注入
痛みが心配な方には、局所麻酔クリームや冷却による麻酔を行います。極細の針を使用して、マーキングしたポイントにボトックスを少量ずつ注入していきます。片脇あたり10か所から15か所程度に分けて注入するのが一般的です。
STEP 4|施術後の確認
注入後は施術部位を確認し、注意事項をご説明して終了です。ダウンタイムはほとんどなく、当日からデスクワークなどの日常生活に戻ることが可能です。
費用の目安と保険適用
ワキガに対するボトックス注射の費用は、自由診療の場合、両脇で目安として3万円から10万円程度とされています。使用するボトックス製剤の種類や注入量によって費用は異なります。確定金額はカウンセリングにてご案内いたします。なお、重度の原発性腋窩多汗症と診断された場合は、厚生労働省が承認したボツリヌス毒素製剤を使用することで保険適用となる可能性があります。保険適用の条件には、発症年齢や症状の程度など複数の基準があるため、診察時に医師にご確認ください。
ワキガのボトックス以外の治療法
ボトックス注射は手軽で効果的な治療法ですが、持続期間が限られているため、長期的な視点で他の治療法と比較することも大切です。
剪除法との比較
剪除法は脇の皮膚を切開してアポクリン腺を直接除去する手術です。根本的な治療として高い効果が期待でき、重度のワキガに対しては保険適用となる場合があります。ただし、数センチの切開を伴うため、ダウンタイムが1週間から2週間程度必要であり、術後の安静期間も求められます。一方、ボトックスは切開不要でダウンタイムがほぼなく、仕事や学校を休む必要がありません。軽度から中等度のワキガの方、まずは手軽に効果を試したい方にはボトックスが適しています。
制汗剤や外用薬との比較
塩化アルミニウム外用液などの制汗剤は手軽に使用できますが、効果は一時的であり、毎日の塗布が必要です。肌荒れやかぶれを起こすこともあります。ボトックス注射は1回の施術で4か月から6か月程度の効果が期待でき、毎日のケアの手間が軽減されます。当院での診療経験では、制汗剤で十分な効果が得られなかった方がボトックス治療に切り替えて満足されるケースが多く見られます。
ボトックスの効果に関する注意点
ボトックス治療を受ける前に、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。まず、ボトックスは汗の分泌を抑制することで臭いを軽減する治療であり、アポクリン腺そのものを破壊する治療ではありません。そのため、重度のワキガの場合は、ボトックス単独では十分な改善が得られないことがあります。その場合は、手術療法との組み合わせや手術への切り替えを検討することもあります。また、妊娠中や授乳中の方、神経筋接合部の疾患をお持ちの方、ボツリヌストキシンに対してアレルギーがある方は施術を受けられません。日本形成外科学会や日本美容外科学会でもボトックス治療の安全性と有効性に関するガイドラインが示されていますが、施術は必ず医療機関で医師の管理のもと行う必要があります。副作用としては、注射部位の内出血や一時的な痛み、まれに代償性発汗として他の部位の汗が増えることがあります。リノクリニック東銀座では、事前のカウンセリングでリスクについても丁寧にご説明したうえで施術を行っております。効果には個人差がありますので、過度な期待は避け、現実的な治療目標を医師と共有することが大切です。
よくある質問
Q. ワキガのボトックス注射は痛いですか。
A. 極細の針を使用するため、痛みは比較的軽度です。リノクリニック東銀座では、麻酔クリームや冷却を用いて痛みを最小限に抑えています。注射の痛みに敏感な方でも、短時間で終了するため多くの方が問題なく受けられています。効果には個人差があります。
Q. ボトックスの効果が切れたらすぐ再施術できますか。
A. 効果が切れた後、すぐに再施術を受けることが可能です。ただし、一般的には前回の施術から4か月以上の間隔を空けることが推奨されています。頻繁に施術を繰り返すと抗体が産生され、効果が得られにくくなるリスクがあるため、医師と相談のうえ適切なタイミングで受けてください。
Q. ボトックスでワキガは完治しますか。
A. ボトックスはワキガを完治させる治療ではなく、汗の分泌を一時的に抑制して臭いを軽減する対症療法です。持続期間は約4か月から6か月程度で、効果を維持するには定期的な再施術が必要になります。根本的な治療を希望される場合は、手術療法についてもカウンセリングでご相談ください。
まとめ
ワキガに対するボトックス注射の要点を整理します。
- ボトックスは神経と汗腺の信号伝達をブロックし、汗の分泌量を減少させることで臭いを軽減する治療法です。
- 効果の持続期間は約4か月から6か月程度で、定期的な再施術により安定した効果を維持できます。
- 施術は約10分から15分で完了し、ダウンタイムがほとんどないため日常生活への影響が少ない治療です。
- 費用は自由診療で両脇3万円から10万円程度が目安であり、条件を満たせば保険適用となる場合もあります。
- 重度のワキガには手術療法が適する場合もあるため、医師と相談のうえ最適な治療法を選択することが重要です。
ワキガの症状でお悩みの方は、まずは医師の診察を受けて、ご自身の症状に合った治療法を確認されることをおすすめします。
当院のご案内
リノクリニック東銀座では、ワキガや多汗症に対するボトックス注射をはじめ、患者さまの症状やご希望に合わせた治療をご提案しております。外科専門医である院長が丁寧にカウンセリングを行い、最適な治療プランをご案内します。初診のご予約はこちら(WEB予約24時間受付)。
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2026.05.18



