院長コラム

顎変形症による顔の歪みの原因と治療法を徹底解説

鏡を見るたびに顔の歪みが気になる、写真に写る自分の横顔に違和感を覚える。そのようなお悩みをお持ちではありませんか。顎変形症は、上顎や下顎の骨格的な位置異常によって顔の歪みや噛み合わせの不調が生じる疾患です。見た目の問題だけでなく、食事や発音、顎関節の痛みなど日常生活にも大きな影響を及ぼすことがあります。原因は先天的な骨格の成長異常から後天的な生活習慣まで多岐にわたり、治療法も矯正治療や外科手術などさまざまな選択肢が存在します。この記事では、顎変形症による顔の歪みの原因を詳しく解説し、具体的な治療法や手術の流れ、費用の目安までわかりやすくお伝えします。ご自身の症状に当てはまるものがないか、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
・顎変形症が引き起こす顔の歪みの具体的な原因とメカニズム
・顎変形症の代表的なタイプと自己チェックのポイント
・外科手術を含む治療法の種類や流れ、費用の目安
・リノクリニック東銀座における輪郭整形の特徴とサポート体制

顎変形症で顔の歪みが生じる原因

顎変形症とは、上顎骨や下顎骨の大きさ・位置・形態に異常が生じ、顔貌の非対称や噛み合わせの不調和が起こる疾患の総称です。日本矯正歯科学会の調査によると、矯正治療が必要な患者のうち約10パーセント前後が外科的矯正の適応になるとされており、決して珍しい疾患ではありません。

顎変形症の原因は大きく先天的要因と後天的要因に分けられます。先天的要因としては、遺伝的な骨格の成長パターンが挙げられます。両親のいずれかに顎の突出や後退がある場合、子どもにも同様の傾向が現れやすいことが知られています。また、胎児期の発育異常や、口唇口蓋裂などの先天性疾患に伴って顎の形態異常が生じるケースもあります。

後天的要因としては、成長期における習癖が大きく影響します。幼少期の指しゃぶりや舌突出癖、頬杖をつく習慣、片側ばかりで咀嚼する偏咀嚼などが長期間続くと、顎骨の成長方向に偏りが生じ、結果として顔の歪みにつながることがあります。さらに、外傷や顎関節症の進行、ホルモンバランスの異常による骨の過成長(先端巨大症など)も原因として挙げられます。

成長期に起こる骨格変化のメカニズム

顎骨は思春期にかけて大きく成長しますが、上顎と下顎の成長時期やスピードには差があります。上顎は比較的早い時期に成長が完了するのに対し、下顎は身長の伸びとほぼ同時期、つまり思春期後半まで成長が続きます。この成長の時間差によって上下の顎のバランスが崩れ、受け口(下顎前突症)や上顎前突症、開咬などのさまざまなタイプの顎変形症が発症します。当院での診療経験では、患者様ご自身が顔の歪みに気づくのは高校生から20代前半にかけてが最も多く、成長がほぼ完了した時点で初めて骨格的な問題が明確になるケースが少なくありません。

顎変形症の主なタイプと歪みの特徴

顎変形症にはいくつかの代表的なタイプがあり、それぞれ顔の歪みの現れ方が異なります。ご自身の症状がどのタイプに当てはまるか確認してみてください。

下顎前突症(受け口)

下顎が上顎よりも前方に突出しているタイプです。横顔で見ると下顎が前に出ており、正面から見た場合にも下顔面が長く見える傾向があります。日本人を含む東アジア人に比較的多いとされ、前歯の反対咬合(下の前歯が上の前歯より前にある状態)を伴うことがほとんどです。サ行やタ行の発音が不明瞭になることもあります。

上顎前突症(出っ歯)

上顎が相対的に前方に位置している、または下顎が後退しているタイプです。横顔では口元が突出して見え、唇が閉じにくいといった症状が現れます。口呼吸になりやすく、口腔内の乾燥や歯周病のリスクが高まることも指摘されています。

顔面非対称

左右の顎骨の大きさや位置に差があるタイプです。正面から見ると顎先が左右どちらかに偏位しており、噛み合わせの平面も傾いていることが多いです。片側の咬筋が過度に発達するなど、筋肉のバランスにも影響が及びます。当院の医師によると、顔面非対称の患者様は写真で自分の顔を見たときに初めて左右差に気づくことが多く、鏡では左右が反転するため見落としやすいと指摘しています。

開咬・過蓋咬合

上下の前歯が垂直的に噛み合わないタイプが開咬、逆に深く噛み込みすぎるタイプが過蓋咬合です。いずれも顎骨の垂直的な成長異常が関与しており、食べ物を前歯で噛み切れない、下の前歯が上の歯茎に当たって痛むといった機能的な問題を伴います。

顎変形症の治療法と手術の流れ

顎変形症の治療は、症状の重症度や骨格の状態によって大きく異なります。軽度の場合は歯列矯正のみで改善できることもありますが、骨格的な問題が大きい場合は外科手術(顎矯正手術)が必要になります。ここでは治療の全体的な流れをご説明します。

術前矯正と精密検査

治療の第一段階として、セファログラム(頭部エックス線規格写真)やCT、歯型の採取、顔貌写真の撮影など精密検査を行い、骨格の問題を三次元的に分析します。その結果をもとに治療計画を立案し、手術前に歯列矯正を行う場合は通常1年から1年半ほどの期間を要します。術前矯正の目的は、手術後に上下の歯列がしっかりと噛み合うよう歯の位置を事前に整えることです。

顎矯正手術の代表的な術式

STEP 1|Le Fort I型骨切り術

上顎骨を水平に骨切りし、前後・上下・左右の位置を調整する術式です。上顎の後退や突出、傾きの補正に用いられます。チタンプレートで固定し、術後は顎間固定やゴム牽引で安定させます。

STEP 2|下顎枝矢状分割術(SSRO)

下顎骨の枝部分を矢状方向に分割し、下顎全体を前方または後方へ移動させる術式です。下顎前突症の治療に最もよく用いられ、口腔内からのアプローチで顔に傷が残りません。

STEP 3|下顎枝垂直骨切り術(IVRO)

下顎枝を垂直に骨切りする方法で、SSROに比べて下歯槽神経の損傷リスクが低いとされています。ただし骨の固定にはプレートを使用せず顎間固定で対応するため、術後の固定期間がやや長くなります。

STEP 4|オトガイ形成術

顎先の形態を整える手術で、上記の顎矯正手術と併用されることが多い術式です。顎先の突出や後退、左右のずれを補正し、顔貌のバランスを整えます。

手術は全身麻酔下で行われ、手術時間は術式や複雑さによって2時間から5時間程度です。入院期間は一般的に1週間から2週間が目安です。

術後矯正とリカバリー

手術後は術後矯正として6か月から1年程度の歯列矯正を継続し、噛み合わせの微調整を行います。術後の腫れは1週間から2週間で大部分が引き、約1か月後には7割から8割程度まで回復する方が多いです。ただし、骨の完全な癒合には約3か月から6か月を要します。効果には個人差がありますので、経過観察を丁寧に行うことが大切です。

顎変形症の治療にかかる費用の目安

顎変形症の治療費用は、保険適用の有無や治療範囲によって大きく異なります。

顎変形症と診断され、指定医療機関で顎矯正手術を受ける場合は健康保険が適用されます。厚生労働省の診療報酬規定に基づき、手術費用は3割負担で約25万円から40万円程度が目安となります。これに加えて、術前・術後の矯正治療費が保険適用で約20万円から30万円程度かかることが一般的です。高額療養費制度を利用すれば、月ごとの自己負担額に上限が設けられるため、経済的な負担を軽減できます。

一方、美容目的で輪郭整形として顎の骨切り手術を希望される場合は自由診療となり、費用は術式や施設によって異なりますが、一般的にはオトガイ形成術が約40万円から80万円、下顎角形成術(エラ削り)が約60万円から120万円程度が参考価格です。リノクリニック東銀座では、患者様のご希望と骨格の状態に応じた最適なプランを、カウンセリング時に詳しくご案内しております。確定金額はカウンセリングでご案内いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

顔の歪みを放置するリスクと注意点

顎変形症による顔の歪みは、見た目の問題にとどまらず、さまざまな健康上のリスクを伴います。早期に適切な治療を検討することが重要です。

まず、噛み合わせの異常が長期間続くと、特定の歯に過度な負荷がかかり、歯の摩耗や破折、歯周病の進行リスクが高まります。日本歯科医師会の報告でも、不正咬合が歯の寿命に影響を与えることが指摘されています。

また、顎関節への負担が蓄積することで、顎関節症を発症・悪化させる可能性があります。顎関節症は口が開きにくい、開閉時にカクカクと音がする、顎周辺に痛みが出るといった症状を引き起こし、頭痛や肩こりなどの全身症状にも波及することがあります。

さらに、口元のコンプレックスから人前で話すことや笑うことに抵抗を感じ、心理的なストレスやQOL(生活の質)の低下につながるケースも少なくありません。当院での診療経験では、手術を受けた患者様から「人前で口を隠さなくなった」「写真撮影が苦でなくなった」といったお声をいただくことが多く、精神面での改善効果も非常に大きいと感じています。

ただし、治療のタイミングも重要です。骨格の成長が完了する前に手術を行うと、その後の成長で再び歪みが生じる可能性があるため、一般的には18歳以降、成長が落ち着いた段階での手術が推奨されます。気になる症状がある場合は、まずは早めに医療機関を受診し、成長の状態を確認しながら治療計画を立てることをおすすめします。

顎変形症の治療で当院が大切にしていること

リノクリニック東銀座では、輪郭整形に関する豊富な診療経験をもとに、患者様一人ひとりの骨格と顔貌のバランスを丁寧に分析したうえで治療方針をご提案しています。

当院の医師によると、顎変形症や顔の歪みの治療において最も重要なのは、機能面と審美面の両方を考慮した包括的な治療計画の策定です。噛み合わせだけを重視しても理想的な顔貌は得られず、見た目だけを追求しても長期的な機能性が損なわれてしまいます。この両立を実現するために、当院ではCTや3Dシミュレーションを活用した精密な術前分析を行い、手術後のイメージを患者様と共有しながら治療を進めています。

また、外科手術に対する不安を少しでも軽減できるよう、術前カウンセリングでは手術の手順やリスク、ダウンタイムの過ごし方について詳しくご説明いたします。術後の経過観察も丁寧に行い、腫れや痺れなどの回復状況を定期的に確認しています。日本形成外科学会や日本美容外科学会(JSAPS)のガイドラインに準拠した安全性の高い施術を心がけており、患者様が安心して治療に臨める環境づくりに努めています。効果には個人差がありますが、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. 顎変形症の手術は痛みがありますか?

A. 手術は全身麻酔下で行うため、手術中に痛みを感じることはありません。術後は鎮痛剤を使用して痛みをコントロールします。多くの方が術後2日から3日をピークに痛みが徐々に軽減していきます。腫れや痺れは数週間から数か月で改善していくことが一般的ですが、経過には個人差があります。

Q. 顎変形症の手術後、仕事にはいつ頃復帰できますか?

A. デスクワークであれば術後2週間から3週間程度で復帰される方が多いです。ただし、腫れや内出血が残っている時期ですので、対面でのお仕事の場合はマスクの着用などで対応される方もいらっしゃいます。激しい運動や重労働は術後1か月から2か月は控えていただくようお願いしています。

Q. 矯正治療なしで手術だけ受けることはできますか?

A. 症例によっては術前矯正を短縮するサージェリーファーストという方法が選択できる場合もありますが、多くのケースでは術前矯正が必要です。矯正なしで手術を行うと噛み合わせが安定しないリスクがあるため、当院では精密検査の結果をもとに最適な治療計画をご提案しています。

まとめ

本記事の要点を整理します。

  • 顎変形症は遺伝的要因や成長期の習癖、外傷などが原因で顎骨の位置や形態に異常が生じる疾患である
  • 下顎前突症、上顎前突症、顔面非対称など複数のタイプがあり、それぞれ顔の歪みの現れ方が異なる
  • 治療法は歯列矯正と外科手術の組み合わせが基本であり、保険適用となるケースもある
  • 顔の歪みを放置すると噛み合わせの悪化や顎関節症、心理的ストレスなどのリスクがある
  • 治療のタイミングは骨格の成長が完了した18歳以降が望ましいとされている

顎変形症や顔の歪みは自然に改善することが難しい骨格的な問題です。見た目だけでなく、噛み合わせや顎関節の健康を守るためにも、気になる症状がある方は早めに医療機関を受診されることをおすすめします。リノクリニック東銀座では、患者様のお悩みに寄り添いながら最適な治療プランをご提案いたします。

当院のご案内

リノクリニック東銀座は、輪郭整形をはじめとする顔面骨格の外科治療に対応しております。外科専門医による丁寧なカウンセリングと精密な術前分析で、機能面と審美面を両立した治療をご提供いたします。顎変形症や顔の歪みでお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
初診のご予約はこちら(WEB予約24時間受付)

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2026.06.02

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