院長コラム

頬骨骨切りのリスクと後遺症を医師が解説|安全に受けるために知っておくこと

頬骨の張りが気になって調べているうちに、「神経が残ったら」「たるんだら」という言葉が目に入り、怖くなってしまった——そんな方からのご相談を、カウンセリングで本当によくいただきます。正直に言うと、その不安は正しい感覚だと思います。頬骨骨切りは骨格そのものを動かす手術ですから、リスクを軽視して受けていい手術では絶対にありません。ただ、インターネット上には根拠が曖昧な情報も多く、必要以上に恐れてしまっているケースも見受けられます。この記事では、私自身の診療経験をもとに、頬骨骨切りで実際に起こりうるリスクと後遺症、そしてそれらをできる限り小さくするための考え方を、包み隠さずお伝えします。

この記事でわかること
・頬骨骨切りで起こりうる後遺症の種類と、その発生頻度の目安
・しびれや左右差が生じるメカニズムと、回復に必要な時間
・術前検査・術後ケアでリスクを最小化するための具体的なポイント
・リノクリニック東銀座の安全管理体制と術後フォローの内容

頬骨骨切り術の概要とリスクの全体像

頬骨骨切り術は、頬骨弓(きょうこつきゅう)と呼ばれる頬の骨を切離・移動させ、顔の横幅を物理的に縮小する輪郭整形手術です。アプローチは口腔内の粘膜切開と、こめかみ〜耳前の皮膚切開を組み合わせるのが一般的で、手術時間は2〜3時間、全身麻酔下で行います。入院は1〜2泊が目安です。

骨格を動かすことで得られる変化の大きさは、ヒアルロン酸やボトックスでは到底及ばないレベルです。それだけに、手術に伴うリスクも相応に存在します。私が日常の診療で患者さんに必ず説明するリスクは、大きく次の5つです。

術後の腫れ・内出血、神経損傷によるしびれや感覚異常、左右差(非対称)、皮膚のたるみ、骨の癒合不全・感染症——この5つです。

発生率はゼロにはできません。しかし、術前の精密検査、確かな手術手技、術後の適切なケアによって、リスクを大きく下げることは十分に可能です。そのためにも、まず一つひとつのリスクを正しく理解しておいてほしいと思っています。

費用の目安は80万円〜150万円程度ですが、術式や骨格の状態によって変わりますので、確定金額はカウンセリングでご案内しています。

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頬骨骨切り術の手術アプローチと骨の切離ラインを示す医療イラスト(顔の正面・側面図)|リノクリニック東銀座

頬骨骨切りで起こりうる後遺症の種類

神経損傷によるしびれ・感覚異常

これが患者さんにとって最も心配な後遺症の一つではないでしょうか。頬骨の周囲には三叉神経の枝である眼窩下神経と、顔面神経の頬骨枝が通っています。手術中に骨を操作する過程で、これらの神経が牽引・圧迫されることがあり、術後に頬や上唇のしびれ、あるいは感覚が鈍くなるという症状が出ることがあります。

一時的なしびれが生じる確率は、私の経験では30〜50%程度です。聞いて驚かれる方もいますが、「一時的」という点が重要で、多くの場合は術後3〜6か月かけて徐々に改善します。神経は回復が遅い組織なので、焦らず経過を見ることが大切です。

ただ、1年以上しびれが残存するケースがまれにあることも、正直にお伝えしなければなりません。完全に元の感覚に戻らないケースがゼロではないのは事実です。だからこそ、術前の神経走行の把握と、術中の丁寧な操作が何より重要になります。

左右差・仕上がりの非対称

人間の顔はもともと完全な左右対称ではありません。ただ、手術後に左右差が目立つようになるケースが起こりえます。骨の切離量や移動量に微細な誤差が生じることが主な原因です。

これを防ぐためには、術前のCT撮影による三次元的な骨格分析が不可欠です。どちらの骨がどの程度張り出しているか、左右の骨格の非対称をどう補正するかをミリ単位で計画してから手術に臨むことで、このリスクは大幅に低減できます。術前計画の精度が、仕上がりの精度に直結すると私は考えています。

皮膚のたるみ

骨格を縮小することで、これまで骨に支えられていた皮膚や軟部組織が余り、たるみとして現れることがあります。特に30代後半以降の方や、もともと皮膚のハリが低下している方に起こりやすい印象があります。

術後6か月〜1年かけて皮膚が自然に収縮し、ある程度改善することが多いです。ただ、改善が不十分な場合はフェイスリフトなどの追加処置が必要になることもあります。術前カウンセリングでは、患者さんの皮膚の状態をしっかり確認した上で、このリスクについても率直にお話しするようにしています。

骨の癒合不全・感染症

切離した骨が正常に癒合しないケース、あるいは術後に感染症を起こすケースは頻度としてはまれですが、発生した場合の影響が大きいため、必ず説明しています。感染症の初期症状は急激な腫れの悪化、発熱、膿の排出などです。こうした兆候が出た場合は、すぐに手術を受けたクリニックに連絡することが重要です。早期の抗菌薬投与やドレナージで対処できる段階で動くことが、重症化を防ぐ鍵になります。

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頬骨骨切りのリスクを下げる術前の準備

STEP 1|CT撮影による精密な骨格分析

リノクリニック東銀座では、手術前に必ずCTスキャンを撮影します。平面の写真だけでは把握できない骨の厚み、神経の走行位置、左右の非対称の程度——これらを三次元で確認した上で、骨の切離ラインと移動量をミリ単位で計画します。

「なんとなくこのあたりを削れば小さくなる」では絶対に安全な手術はできません。画像データに基づいた計画が、リスク低減の土台だと考えています。

STEP 2|担当医の専門性と手術経験を確認する

骨切り手術は、解剖学的な知識と手術経験の両方が欠かせない術式です。日本形成外科学会や日本美容外科学会(JSAPS)でも、輪郭整形手術を行う医師には十分な研修と実績が求められています。

カウンセリングでは担当医の専門資格や手術経験について積極的に質問してください。きちんと答えられない、または答えを曖昧にするようなクリニックは、それだけで注意信号だと思っています。私自身は外科専門医として、骨切り手術に必要な解剖学的基礎と手術経験を積んだ上でこの領域に携わっています。

STEP 3|持病・服用薬を正確に申告する

血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる方、糖尿病・高血圧などの基礎疾患がある方は、術中・術後のリスクが高まることがあります。「この程度は言わなくていいか」と思わず、必ず担当医に正直に申告してください。安全な手術のために、患者さんの情報は何より大切なものです。

術前CT画像をもとに骨切りラインをシミュレーションしている医師のイメージ写真|リノクリニック東銀座

頬骨骨切りの術後ケアと回復の流れ

術後の過ごし方は、仕上がりの質と回復のスピードに直接影響します。ここは患者さんが自分でコントロールできる領域ですから、しっかり把握しておいてほしいと思っています。

腫れのピークは術後4〜5日ごろです。その後、2週間で7割程度が引き、1か月でほぼ落ち着いてくる方が多いです。ただ、骨が完全に癒合するには3か月かかりますので、この期間は激しい運動や顔への強い衝撃は避けてください。スポーツをされている方は、この点を特に意識してほしいと思います。

就寝時は頭を高くすることで、腫れが軽減しやすくなります。食事は術後1週間ほど柔らかいものを中心にし、大きく口を開ける動作は控えてください。

なお、当院ではフェイスバンドを使用していません。フェイスバンドは腫れを抑えるように見えて、実際にはリハビリを遅らせたり、血腫の発見を遅らせたりするリスクがある。さらに気道への圧迫リスクも考えると、私はメリットよりデメリットが上回ると判断しています。

喫煙は骨の癒合を著しく遅らせます。術前2週間から術後1か月は禁煙を徹底してください。「1本くらい大丈夫ですか」と聞かれることがありますが、正直に言うと、大丈夫ではありません。

術後の定期検診は、1週間・2週間・1か月・3か月・6か月のタイミングで設けています。不安なことがあれば、検診を待たずにご連絡いただける体制を整えています。

頬骨骨切りを受けるかどうかの判断基準

頬骨骨切りを検討している方に、カウンセリングで必ず確認していただきたいことがあります。「その悩みは、本当に骨切りでなければ解決できないものか」という問いです。

頬の張りが気になる場合でも、張り出しが軽度であれば、咬筋へのボトックス注射やヒアルロン酸による輪郭バランスの調整で十分に満足できるケースがあります。実際に私のカウンセリングでも、詳しく診察した結果として非手術的な施術をご提案することは珍しくありません。

一方で、骨格レベルでの変化を望む方にとって、頬骨骨切りは非常に有効な選択肢です。ただし、その場合は術前の精密検査と十分なコミュニケーションが絶対に必要です。「ここまでのリスクがある手術だと理解した上で受けたい」という納得感が、術後の満足度を大きく左右すると私は感じています。

リスクの説明が不十分なクリニック、あるいはメリットばかりを強調してくるクリニックには注意が必要です。日本美容外科学会(JSAPS)のガイドラインでも、患者への十分なインフォームドコンセントは強く推奨されています。カウンセリングで怖いと感じたことは、その場で必ず聞いてください。

よくある質問

Q. しびれが残る確率はどのくらいですか。術後どのくらいで回復しますか。

A. 一時的なしびれは30〜50%程度の方に見られます。多くは術後3〜6か月で回復しますが、まれに1年以上残るケースもあります。神経の回復には個人差があるため、焦らず経過を観察しながら対処方法を担当医と相談することが大切です。

Q. 術後にたるみが出た場合、追加の治療は必要ですか。

A. 皮膚の弾力がある方は、術後6か月〜1年で自然に収縮し改善することが多いです。改善が不十分な場合はフェイスリフトや糸リフトを検討します。術前のカウンセリングでお肌の状態を確認した上で、たるみリスクについてもあらかじめお伝えするようにしています。

Q. 頬骨骨切りのリスクを最も左右するのは何ですか。

A. 術前のCT画像に基づく精密な計画と、手術の経験・技術が最大の要因です。加えて、術後の禁煙・安静などのセルフケアも骨の癒合に直結します。リスクを「ゼロ」にはできませんが、正しい準備と管理で大幅に下げることは可能です。

まとめ

頬骨骨切りは、骨格レベルの変化を実現できる手術ですが、相応のリスクが伴います。しびれや左右差、皮膚のたるみ——これらは適切な術前計画と手術技術、術後ケアによってリスクを最小化できますが、ゼロにはできないことも事実です。効果や回復の経過には個人差があります。

大切なのは、「なんとなく怖い」ではなく「このリスクがあることを理解した上で受ける」という納得感を持って手術に臨むことだと思っています。そのためにも、カウンセリングでは疑問や不安を遠慮なく話してください。「こんなこと聞いていいのかな」という内容ほど、実は重要な情報であることが多いです。

骨格から変わることで得られる変化は大きい。だからこそ、準備も丁寧に。そういう考え方で、私はこの手術に向き合っています。

当院のご案内

リノクリニック東銀座は、外科専門医が輪郭整形・骨切り手術を担当するクリニックです。CT画像を用いた精密な術前計画と、術後6か月にわたる定期検診体制で、安全性を重視した治療を提供しています。ご予約はWEB予約フォームから24時間受け付けています。

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監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2026.05.03

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