院長コラム

陰部のビラビラが大きい?小陰唇肥大症の原因と治療法

「陰部のビラビラが大きい気がする」「形が左右で違う」「下着に擦れて痛い」──
こうしたデリケートゾーンの悩みを抱える女性は、実は少なくありません。リノクリニック東銀座でも、同じようなご相談を日々多くいただいています。
しかしデリケートゾーンの話題は人に相談しづらく、一人で悩みを抱えてしまう方が少なくありません。

下着や衣類の摩擦、ムレ、見た目のコンプレックスは、身体だけでなく心の自信にも影響します。
この記事では、外科専門医の視点から、小陰唇肥大症の原因・症状・治療法を医学的根拠と臨床経験に基づいて詳しく解説します。

小陰唇肥大症とは?陰部のビラビラが大きい状態

小陰唇肥大症とは、外陰部の内側にある「小陰唇(ビラビラ)」が平均より大きく、または左右で差がある状態を指します。
病気というより体質や遺伝による個人差が大きいですが、摩擦や痛み、見た目のコンプレックスを引き起こす場合があります。

平均サイズはどのくらい?

「小陰唇のサイズはどのくらいが普通ですか?」というご質問をいただくことがありますが、実際には人それぞれで個人差があり平均サイズが何センチとは言い切れません。
明確な平均サイズという基準はなく、大きさそのものよりも「生活に支障があるか」「痛みや違和感があるか」 が重要な判断のポイントです。

小陰唇が大きくなる原因

1. 先天的な体質・遺伝的要因

小陰唇の形や大きさは遺伝による影響が大きく、家族に同様の傾向がある場合もあります。
思春期の頃から気づいているケースが多く、加齢による変化は少ないのが特徴です。

2. ホルモンバランスの変化

思春期や妊娠、更年期など、ホルモンの変化によって粘膜が発達したり、ふっくら見えることがあります。
エストロゲンの影響で血流が増し、組織が厚くなることで肥大して見えることがあります。

3. 摩擦や外的刺激

タイトな下着、自転車、ランニングなどでの長時間の刺激は、小陰唇を守るために皮膚が肥厚し、肥大する一因となります。
特に長時間の座位や姿勢のクセが片側に負担をかけると、左右差を助長することがあります。
また、自己処理や脱毛時の刺激も慢性的な炎症につながります。

4. 出産・加齢による変化

出産によって小陰唇が引き伸ばされるほか、加齢により皮膚の弾力が低下すると垂れ下がって見えることがあります。
これにより「以前より擦れる」「形が変わった」と感じる方もいます。

5. 病的要因(アトピー性皮膚炎・象皮症など)

稀に、アトピー性皮膚炎やリンパ浮腫(外陰部象皮症)が関係することがあります。
慢性的なかゆみや炎症を繰り返すことで慢性炎症となり組織が厚くなり、見た目にも肥大して見える状態になります。
この場合は根本疾患の治療を優先することが大切です。

小陰唇肥大症で起こりやすい症状

・下着や衣類との摩擦によるヒリヒリ感、痛み、かゆみ
・自転車や運動時の違和感、擦れ
・性行為時の痛み、引っ張られる感覚
・排尿の飛び散りや方向が定まらない
・黒ずみや色素沈着、ムレ、臭い
・外見のコンプレックス、左右差への不満

見た目だけでなく、機能的・衛生的な問題も起こり得ます。
摩擦やムレによって炎症が慢性化すると黒ずみ(色素沈着)を引き起こし、さらに見た目の悩みが深まる悪循環に陥ることもあります。

自宅でできるケア・対処法

下着と服装の見直し

通気性が良く、摩擦の少ないコットン素材やシームレスタイプを選びましょう。
レースやナイロン素材は刺激が強く、症状を悪化させることがあります。
自転車や長時間座る習慣がある場合は、クッションや骨盤サポートを併用して負担を軽減します。

陰部の清潔を保つ

デリケートゾーンは洗いすぎもNGです。
強い洗浄剤で洗うと皮膚のバリアを壊し、炎症の原因になります。
ぬるま湯で優しく洗う、または低刺激の専用ソープを使用するのが理想です。

摩擦・ムレを防ぐ

汗をかいたまま長時間過ごすと、炎症・臭いの原因になります。
スポーツ後や入浴前にはこまめに下着を替え、乾燥と清潔を意識しましょう。

軽い炎症時の対策

ヒリヒリや赤みがあるときは、ワセリンなどで保護することで摩擦を減らせます。
症状が長引く場合や痛みが強い場合は、婦人科や形成外科の診察を受けてください。

小陰唇縮小術(ビラビラの手術)による改善

根本的な治療法として有効なのが小陰唇縮小術です。
局所麻酔で肥大部分を切除し、形と左右バランスを整えます。
形成外科的アプローチにより、見た目と機能の両立が可能です。

手術の流れ

  1. カウンセリング・デザイン設計

  2. 局所麻酔による施術(約30〜60分)

  3. 吸収糸で縫合(抜糸が必要なクリニックもあります。当院では、吸収糸+ボンドを使用するため、抜糸が不要です。)

  4. 当日帰宅可能

術後は腫れや軽い痛みが1〜2週間続きますが、鎮痛剤で十分コントロールできます。
シャワーは翌日から、性行為・激しい運動は4週間後に再開可能です。

手術のメリット

・摩擦痛・炎症の根本改善
・性行為時の痛みの軽減
・見た目の改善・黒ずみ軽減
・清潔を保ちやすくなる
・排尿トラブルの解消

当院では外科専門医による丁寧なデザインを行い、自然で機能的な仕上がりを重視しています。

手術以外の選択肢はあるの?

お悩みが軽度の場合、必ずしも手術が必要というわけではありません。
左右差が小さい、擦れが一時的な場合などは、生活習慣や下着の見直し、炎症ケアで改善することもあります。

大切なのは「見た目を整える」だけでなく、痛みや不快感を減らし、自分らしく過ごせる状態を目指すことです。
カウンセリングでは手術だけでなく、非手術的なケア方法も含めて丁寧にご提案します。

よくある質問(Q&A)

Q1:陰部のビラビラが大きいのは病気ですか?
A1:病気ではありません。多くは体質や個人差によるもので、痛みや生活の支障がある場合に治療を検討します。

Q2:手術は痛いですか?
A2:局所麻酔で行うため手術中の痛みはほとんどありません。痛みが心配な方は静脈麻酔を併用することもあります。術後も痛み止めでコントロールでき、翌日から日常生活に戻れます。

Q3:手術を受けないと治りませんか?
A3:軽度であれば、下着・生活習慣の改善や保湿ケアで症状が和らぐこともあります。手術は最終的な選択肢として考えましょう。

まとめ

「ビラビラが大きい」「左右差が気になる」と悩むのは、決して珍しいことではありません。
小陰唇の大きさや形は人それぞれで、平均値にこだわる必要はありません
しかし、痛み・違和感・排尿トラブル・黒ずみなどがある場合は、医療によるサポートで快適さを取り戻せます。

リノクリニック東銀座では、外科専門医が一人ひとりに合わせたデザインと施術を行い、自然で機能的な美しさを実現します。
恥ずかしいと感じる必要はありません。まずは気軽にご相談ください。

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2025.11.11

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