院長コラム

Vライン形成で叶える理想の小顔【美容外科医が解説】

Vライン形成は、エラから顎先にかけてのシャープな輪郭を求める方に人気の施術です。近年ではカウンセリングやシミュレーション技術が飛躍的に進歩し、一人ひとりの顔立ちに合わせたオリジナルデザインを提案できるようになりました。

骨格や筋肉、脂肪の状態は人それぞれ異なります。そのため、施術計画では、骨切りや脂肪吸引など複数のアプローチを組み合わせ、理想の輪郭に近づくための最適プランを作成します。

本記事では、Vライン形成の基本知識から具体的な施術方法、リスクや費用、術後の経過に至るまで詳しく解説します。失敗しないクリニック選びや、術後のアフターケアのポイントも含め、総合的に理解を深めていただける内容となっています。

Vライン形成とは

Vライン形成とは、下顎角(エラ)や顎先(オトガイ)を整え、縦に流れるラインを美しくする施術です。いわゆる「逆三角形の顔立ち」を作ることを目的とし、韓国や日本の美容外科で近年特に人気を集めています。

私自身、美容外科クリニックの現場で多くの輪郭手術を担当してきましたが、Vライン形成を希望される患者さんの多くは「顔が大きい」「エラが張っている」「横顔のバランスが気になる」「ダイエットしてもフェイスラインが変わらない」といった悩みを抱えています。脂肪や皮膚の問題ではなく、骨格に起因するフェイスラインの広がりは、運動やスキンケアだけでは解決が難しいため、外科的アプローチが効果的です。

近年はCT撮影や3Dシミュレーション技術の進歩により、術前に完成イメージを高精度で確認することが可能になりました。削る範囲や骨の角度を精密に調整することで、患者さんの希望に近い仕上がりを再現できるようになっています。当院でもクリサリスクを使って3Dシュミレーションを行いながら、患者さんと術前・術後のイメージを共有しております。

Vライン形成がおすすめな方

Vライン形成は、以下のようなお悩みをお持ちの方に特におすすめです。

骨格的なエラ張りや顎先の形が要因で、フェイスラインにコンプレックスを抱いているケースは少なくありません。横から見たときの差が気になる場合でも、適切なアプローチによって顎の角度やラインを整えられます。

フェイスラインがすっきりすることで、顔全体の印象が大きく変わります。鼻や目などの他のパーツとのバランスも良くなるケースが多く、小顔効果を求める方にも選ばれることが多い施術です。

Vライン形成は骨切りを伴うため、カウンセリングで自分の骨格状態を正確に把握することが大切です。より自然な仕上がりを望む場合は、必要に応じて脂肪吸引やボリューム調整などを組み合わせ、総合的に顔の構造を考慮します。

エラ張りや顎の形が気になる方

エラ張りが目立つ方は、下顎角の形状が大きな要因となっているケースが多いです。骨の出っ張り具合や筋肉量を抑えることで、顎のライン全体を柔らかく整えることができます。

また、顎の形には人によって多様なバリエーションがあります。後退している顎を前方へ調整する場合もあれば、長すぎる顎先を短くする場合もあり、個々の状態に合わせた施術が必要です。

よりシャープなフェイスラインを目指したい方

シャープな輪郭を追求する方には、オトガイ形成や下顎骨切りの調整が有用です。顔の正面からだけでなく、横顔や斜めからの印象も考慮することで、より立体的な美しさを目指せます。

頬骨が張っている場合には、同時に頬骨削りなどの施術を検討しても良いでしょう。総合的な輪郭矯正を行うことで、全方位から見ても美しいラインを確保します。

Vライン形成の施術方法と種類

Vライン形成の施術にはさまざまなアプローチがあり、個々の骨格や理想とする輪郭に合わせて施術内容を組み合わせます。

Vライン形成は、エラ部分を含む下顎角の骨切りだけでなく、オトガイ(顎先)を調整する方法が一般的です。また、エラ削りや頬骨削りなどの他の輪郭形成施術と組み合わせて、より一貫性のある小顔効果を得る方も多く見られます。

近年は3Dシミュレーション技術の進歩によって、術前に仕上がりイメージを高精度で確認することが可能になりました。必要な骨切り範囲や脂肪の取り方、皮膚のたるみの程度などを総合的に把握しながら施術計画を立てられます。

手術後は腫れやむくみが徐々に引いてくるにつれ、輪郭の変化がはっきり表れます。より長期的な視点で仕上がりを考えることが大切で、最終的なラインが安定するまで数ヶ月かかる場合もあります。

私の経験上、単なるエラ削りだけでは「横幅が狭くなっただけ」の印象に留まることが多く、顎先のデザインを同時に行うことで「正面から見ても横から見ても美しいVライン」が得られます。

骨切り(下顎角+オトガイ)

骨切りは下顎角部分を削ってエラを緩やかにし、さらにオトガイ(顎先)の幅や形を整える施術です。広いエラと長い顎先の両方を総合的に調整するため、大きな変化が期待できます。

手術は、ほとんどの場合口腔内の切開から行われるため、外側の傷跡が目立ちにくいのがメリットです。ただし、骨そのものを削ったり切除したりするため、ダウンタイムや術後の腫れはどうしても避けられません。

エラ削り・頬骨削りとの違い

エラ削りは下顎角を削ることで顔幅を狭める手術で、頬骨削りは頬骨を削ることで頬の張り出しを抑え、フェイスラインをすっきりさせる手術です。Vライン形成はこれらを包括する形で、顎下から顎先までを総合的にデザインします。

頬骨やエラ部分だけが気になる場合には、単独での削り手術を行うこともあります。しかし、顎先や下顎角など複数の部位を同時に改善し、小顔効果を高めたい場合にはVライン形成が選択されるケースが多いです。

脂肪吸引や脂肪注入との併用

  • 脂肪吸引との併用:Vライン形成においては非常に一般的。エラを削っても顎下に脂肪が残っていると「二重顎風」に見えてしまい、ラインがぼやけるケースが多いため。

  • 脂肪注入/ヒアルロン酸注入:痩せ型や頬骨が高い人では骨切り後に頬がこけて見えるため、ボリューム補正が必要になることがある。

  • 「骨・脂肪・皮膚」の3層アプローチ:これはまさに臨床的実感で、単一の施術で満足するケースは少なく、組み合わせ治療が自然な結果につながります。

  • 糸リフト・HIFU・高周波レーザー:外科手術では対応しきれない「皮膚のたるみ」や「軽度の輪郭のもたつき」に有効。手術を希望しない方、あるいは術後の維持としても適切です。

傷跡の位置と治療時間

多くの場合、施術は口腔内からアプローチするため、表面には目立った傷跡が残りにくい特徴があります。縫合糸は体内で溶ける素材が使われることも多く、抜糸の手間が少ない症例もあります。

治療時間はおよそ2~3時間程度ですが、骨の切除範囲が広い場合や併用術式が多い場合は時間が延びることもあります。もちろん、手術に伴うダウンタイムも考慮し、事前に休暇の計画を立てておくことが望ましいでしょう。

術前の注意事項と検査

Vライン形成は、見た目だけでなく「安全性の確保」が最も重要です。私は必ず以下の検査を行っています。

  • CT撮影・3Dシミュレーション:削る範囲と神経の位置確認

  • 血液検査・心電図:全身麻酔をかけても問題がないか

カウンセリングでは「どこをどれだけ削るのか」「術後どんなラインになるのか」を患者さんと一緒に確認します。この段階で十分に時間をかけることが、満足度を大きく左右します。

この段階で、医師とのイメージのすり合わせやスケジュール調整を行うことも必要になります。疑問や不安があれば、遠慮せずにしっかり質問し、納得のいく状態で手術に臨みましょう。

カウンセリング・術前検査の内容

カウンセリングでは希望の仕上がりを伝え、医師が顔全体のバランスを見ながらプランを提案します。CT画像や3Dシミュレーションで、顎角やオトガイ部分をどのくらい削るかイメージを共有できるので、納得感が得やすいです。

血液検査やレントゲン、肺機能検査などで全身状態を細かく確認することにより、リスクを最小限に抑えます。太い血管や神経の位置についても事前に把握するため、正確な骨切りが可能になります。

麻酔の方法と術前準備

Vライン形成は大がかりな手術になるため、全身麻酔が用いられることが多いです。全身麻酔下でも、専門の麻酔科医が付き添い、患者の状態をモニターしながら安全を管理します。

麻酔を行う場合、前日からの食事制限など術前準備が必要になります。術当日のコンディションが施術の安全性やダウンタイムの程度にも影響するため、医師やスタッフの指示をしっかり守りましょう。

Vライン形成後の経過とアフターケア

Vライン形成は骨にアプローチする手術のため、術後の経過観察とケアがとても大切です。

手術後は腫れ・内出血・痛みがあります。飲み物や流動食など柔らかい食事を中心にするなど、口腔内の負担を軽減することが求められます。

むくみが強い期間を乗り切ると、徐々にフェイスラインの変化が感じられるようになります。経過観察中は定期的に医師の検診を受け、傷口の状態や骨の癒合具合をしっかり確認しましょう。

ダウンタイム後も、口を大きく開けにくいなどの違和感が続く場合がありますが、時間とともに改善が期待できます。痛みや違和感が長引く場合は早めにクリニックへ相談し、適切な処置を受けましょう。

術後直後~1週間までの過ごし方

術後直後は腫れや痛みが最も強い時期で、飲み込みが難しいこともあります。できるだけ安静に過ごし、日中は頭部を起こして過ごしましょう。腫れを抑えるため、就寝時は頭を高くして寝るなど工夫も有効です。

この期間は口腔内の傷を清潔に保つため、うがい薬の使用や歯磨きの仕方にも注意が必要です。傷口が完全に塞がっていないため、刺激物や固い食事は控え、体力回復のため栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

術後1~2週間の経過

1週間を過ぎる頃から腫れが徐々に落ち着きはじめ、口を開ける動作も少しずつ楽になってきます。ただし、急激な動作や激しい運動は避け、傷口や骨の安定を優先しましょう。

術後1ヶ月・2ヶ月の変化

術後1ヶ月を過ぎると、腫れがかなり落ち着き、フェイスラインがより明確になってきます。ただし、人によっては軽いむくみが続くため、小さな変化が気になる場合でも焦らず様子を見ましょう。

2ヶ月目に入ると、筋肉や骨がある程度落ち着きを取り戻し、まわりから見ても変化が分かりやすくなる時期です。ダウンタイム中に続けていたケアやメンテナンスが、今後の仕上がりを大きく左右します。

術後13ヶ月以降の仕上がり

術後3ヶ月目以降になると、大部分の腫れが引き、ほぼ完成形に近いラインが現れます。骨や組織が完全に回復すると、より自然なVラインが定着してきます。

最終的な仕上がりの確認には半年以上かかることもあり、個人差が大きいです。メンテナンス検診を受けながら、今後も丁寧にケアを続けることで、理想のフェイスラインを保ちやすくなります。

Vライン形成の副作用・リスク

骨切りを伴うため、腫れや感染リスク、しびれなどの副作用が起こる可能性があります。

Vライン形成では神経や血管に近い部分を扱うため、しびれや感覚麻痺などが生じる場合があります。多くは一時的なものですが、症状が長引く場合は医師に相談することが必要です。

また、腫れや内出血以外にも、感染症が起こる可能性があります。衛生管理が行き届いたクリニックを選び、術後ケアを徹底することで、リスクを最小限に抑えられます。

術後にズキズキとした痛みや不快感を覚えるケースもあり、痛み止めの服用や冷却などで対処します。日常生活に戻るまでには個人差があるため、経過観察と適切な休養が不可欠です。

Vライン形成の費用

施術内容やクリニックによって異なりますが、Vライン形成は比較的高額な費用になる場合が多い手術です。

一般的にVライン形成は、骨切り手術を含むことから100万円を超える費用がかかる場合が多いです。エラのみを削るのか、顎先まで調整するのか、頬骨削りなどの追加施術を行うかによって変動します。

料金には、手術費用のほか麻酔費や術後の検診費用などが含まれるケースが多く、クリニックによってパッケージ内容が異なります。カウンセリング時に総額をしっかり確認し、術後のアフターケアや再診の費用も含めた予算計画を立てましょう。

費用面で不安がある場合は、モニター制度や分割払いやローンを検討するのも一つの方法です。ただし、安さだけを基準にクリニックを選ぶのではなく、実績や安全性、カウンセリングの充実度など総合的に判断することが大切です。

症例写真・ビフォーアフター

より具体的なイメージを掴むために、実際の症例写真やビフォーアフターを見ることが重要です。

術前と術後で顎の角度やフェイスラインがどの程度変化するかを確認するには、写真が最も分かりやすい方法の一つです。クリニックによっては複数の症例を提示してくれるため、仕上がりの傾向や得意とするスタイルを把握できます。

ビフォーアフターをチェックする際は、角度や表情だけでなく、撮影時期にも注目しましょう。施術直後よりも数ヶ月経過してからが、より自然なラインになっている場合が多いです。

実際の患者体験談や口コミを参考にすることで、理想イメージとのギャップを埋めやすくなります。ただし、個人差が大きいことを理解し、最終的には医師と相談しながら自分に合った方法を見つけることが大切です。

よくある質問(Q&A)

術前や術後の不安や疑問を解消するためにも、よくある質問をまとめました。

Q 術後はどのくらい痛みがありますか?痛さが不安です。

痛みや腫れの程度、ダウンタイムの長さなどは個人差がありますが、一般的には術後1~2週間が最も症状が出やすい期間です。術前からしっかりと準備し、仕事や学校のスケジュールを調整すると安心です。

Q 傷口は目立ちますか?

A ほとんどの場合口腔内からのアプローチのため大きな問題になりにくいです。しかし、内側に縫合糸を使っているため、術後しばらくは口腔ケアに注意しましょう。

Q 何歳まで手術が可能ですか?

施術を受ける年齢層は幅広く、20代から50代までさまざまです。骨格の成長が完了していること、そして術後のダウンタイムをある程度確保できるかが大切なポイントになります。

Vライン形成で理想のフェイスラインを

Vライン形成は理想的な小顔を実現するための大きな一歩です。専門家との十分なカウンセリングを行い、納得のいく選択を目指しましょう。

骨格や筋肉、脂肪量を総合的に調整するVライン形成は、ダイエットでは変えにくいフェイスラインを根本的に改善する施術です。しかし、効果が大きい分、術後のダウンタイムやリスクが伴うことも理解しておく必要があります。

術前には、自身の希望と現実的な仕上がりとのすり合わせをしっかり行いましょう。3Dシミュレーションやカウンセリングを活用すると、具体的なイメージを共有しやすくなります。

複数のクリニックを比較検討し、費用面や術後ケアの内容を考慮したうえで最適な院を選ぶことが成功のカギです。理想のVラインを実現するために、焦らず情報収集を重ね、信頼できる専門医をパートナーとすることをおすすめします。

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2025.08.22

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