院長ブログ

韓国で受けた輪郭整形のその後──骨切り手術後の感染症実例から学ぶリスクと対策

渡韓整形のメリットと落とし穴とは?

なぜ韓国整形が選ばれているのか【費用・技術・症例数】

韓国は美容整形大国として世界的に知られており、2023年には約18万7,000人の日本人が韓国を医療目的で訪れ、その多くが美容外科・美容皮膚科を受診しています。
これは韓国保健産業振興院(KHIDI)などの統計にも示されており、日本人による「韓国整形ツーリズム」への関心は近年ますます高まっています。  

こうした背景には、「手術費用が日本よりも安い」「症例数が多く技術に信頼がある」「旅行と一緒に美容治療ができる」といったメリットがあります。

しかしその裏にある見えにくいリスクとは?

その一方で、

  • 術後合併症が発生した際のサポート体制の違い
  • 言葉の壁によるコミュニケーションの困難さ
  • 海外でトラブルが起きた際、迅速な対応を受けられない不安感
  • 帰国後の継続治療や診察の難しさ

といった“もしも”への不安も、決して無視できません。

このような方におすすめの記事です

  • 韓国や海外での美容整形を検討している
  • 術後トラブルや合併症への不安がある
  • 帰国後にフォローしてくれるクリニックを探している
  • 術後に感染症になった人の経過が知りたい
  • 「安心できる整形」を選ぶためのヒントが欲しい

輪郭整形後に感染症が発症──実際に何が起きたのか

手術直後の異変|“これは普通の腫れじゃない”

患者Aさん(以下Aさん)が手術を受けたのは、韓国・カンナムエリアの美容外科クリニック。輪郭三点と顎手術を同時に行いました。

術後は一時的な腫れを想定していたものの、2日目〜3日目から明らかに熱感・左右差のある腫れが悪化。水分も取れないほど口が腫れ、ただごとではないと感じたそうです。

Aさん

「最初は“こんなものかな”と思ってたんですが、日に日に腫れが強くなって、熱も出て…。
左側だけどんどん腫れてきて、これはおかしいなと。」

韓国クリニック対応と言葉の壁|誰に相談すれば?

Aさんは通訳の方を通じてクリニックに連絡。

診察を希望したものの、医師の診察にはつながらず、点滴処置のみの対応だったようです。

Aさん

「看護師さんには会えたんですが、先生の診察がなくて…。
点滴だけして帰されました。腫れは強くなる一方で、何が起きてるのかも分からず不安でした。」

5日目にようやく手術をした韓国のクリニックで医師から感染症と診断され、ドレーンの再挿入処置が行われました。この後、強い不安を抱えたままの帰国となりました。

当院での処置と回復の経過

帰国後の状態と初期治療の内容

Aさんは、帰国後に当院を受診されました。診察時には、右下顎の創部が開き、内部の固定プレートが露出し、骨の一部も視認される状態でした。左側も小さな瘻孔(ろうこう)から膿が排出されており、強い腫脹(腫れ)が広がっていました。

当院では口腔内の洗浄、抗生剤内服、歯磨き指導を行いながら、感染後の処置を行いました。

感染は咬筋や顔面神経の周囲にも炎症が波及する可能性があり、機能障害を引き起こすおそれがあるため、早期の対応が重要です。

感染症の原因と再発防止のポイント

感染の主な要因としては以下が考えられます。

  • 術後の血腫(けっしゅ)
  • 虫歯や歯周病など、口腔内の炎症リスク
  • 喫煙による血流低下と治癒遅延
  • CT撮影や3Dシミュレーション不足による術前評価の不備
  • 清潔管理やドレーン除去のタイミングなど術後管理の不備

また、輪郭の整形では皮質骨の切除や筋肉の剥離操作があり、顔面神経損傷のリスクもあるため、手術する医師の経験や技術も結果に大きく影響します。

再発予防のための判断とは~プレート除去・修正手術という選択肢~

当院での処置により感染は落ち着き、現在は安定した経過をたどっています。しかし、患者様は再発防止の観点からプレート除去を検討されています。

Aさん「一度感染を経験すると、またなったら…という不安が大きいです。半年〜1年以内にはプレートを外したいと考えています」

再手術や修正術が必要になるケース

私の見解としては、感染歴がある場合は定期的な診察と必要に応じた再手術が望ましいと考えています。輪郭形成の骨切り手術後に、もし気になる症状がある方は、クリニックへご相談ください。

患者様の声|渡韓整形を考える人へのリアルなアドバイス

実際に感染したAさんから、これから手術を考えている方にむけてアドバイスをいただきました。

「価格やイメージだけで決めないで」

「日本と韓国とか、一概に金額とかそういうのだけで判断しちゃうと思うんですけど、
やっぱり術後合併症が起きたりとか何かでなった時に、言葉の壁とかもあるので…」

「安心できる整形」とは何かを考える

「安心して受けるってなると、しっかり信用できる先生と言葉が通じるっていうのは本当に大事だなって思いました」

術後トラブルに悩んでいる方へ|当院の対応とご案内

渡韓後の骨切り後に、こんなご相談が増えています

  • 腫れが引かない
  • 傷の治りが遅い
  • 感染が疑われる
  • プレート除去・再手術を検討している

当院でできるサポートと受診の流れ

渡韓整形後の術後ケアや修正手術のご相談にも対応しています。
海外整形後の再手術や修正術にも対応可能です。

一人ひとり診察をして、丁寧に対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2025.07.09

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