院長コラム
オトガイ形成 骨切りで整うラインとは
オトガイ形成とは、顎先(オトガイ部)を骨切りによって調整する手術で、フェイスラインやEライン・Vラインの最終仕上げとして行われます。骨の形や位置を調整することで、横顔の美しさや小顔効果を得られるため、美容外科領域では非常に需要が高い施術です。
オトガイ形成単独で行う場合もありますが、エラ削りや両顎手術(Le Fort 1、SSRO)と組み合わせて行うことで、輪郭全体の調和が取れるケースも多く見られます。施術にあたっては、骨格のバランスだけでなく、皮膚・筋肉・脂肪といった軟部組織の状態も加味して判断する必要があります。
CTシミュレーションを活用することで、術前にフェイスラインの変化予測が可能となり、主治医と患者が仕上がりイメージをすり合わせやすくなります。
お悩み別で選ぶ骨切り手術法
オトガイ形成には様々な術式があり、お悩みや骨格、年齢、フェイスラインの理想像に応じて使い分けられます。ここでは、主流の術式を悩み別に紹介していきます。
1. 顎を前に出したい、Eラインを整えたい
顎を前方に出し、理想的なEラインを形成するためには、オトガイを三角形または台形に切り、前方に位置させる手術が最適です。
2. 顎が長い場合
顎の長さを短縮したい場合には、横方向に骨を切ることで顎の長さを調整します。この手術は顎のバランスを整える効果があります。
3. 顎の幅を狭くしたい
顎の幅を細くしたい場合は、縦に切ることで顎の幅を狭くする手術が有効です。これにより、よりシャープなフェイスラインを作ることができます。
4. 長さと幅を短くしたい
顎の長さと幅を両方短縮したい場合、縦と横の両方を切ることで、理想的なバランスのオトガイを作り上げます。
5. オトガイ形成とVラインを合わせてフェイスラインを整えるオトガイ形成
オトガイ形成の治療では、フェイスライン全体のバランスが整わないことがあります。そんな場合、当院ではVラインやミニVラインを組み合わせた治療をご提案しています。これにより、顎だけでなく、全体的に美しいフェイスラインを実現します。
軟部組織との関係と留意点
骨切りだけでは理想のフェイスラインを十分に再現できないこともあります。皮膚や筋肉、脂肪などの軟部組織が骨の上に乗っているため、術後の形状はそれらの動きや余剰量に大きく影響されます。特に、顎を短く・細くした場合には、余った軟部組織がたるみや段差を引き起こす可能性があります。
たとえば、オトガイの裏に付着する舌骨筋を必要以上に剥離すると、顎下が弛んで二重顎になってしまうこともあります。このため、術中には必要最小限の剥離と、残すべき部位の見極めが重要になります。
専門医が語る術式選びのコツ
実際に診療現場では、軟部組織の厚みや弾力、患者様のEライン・Vラインの理想像によって術式を調整しています。術中に何度も確認しながら、1mm単位で顎の位置を微調整することも多いです。見た目の印象を大きく左右する部位だからこそ、丁寧に仕上げます。
カウンセリングでは、「どんな輪郭になりたいのか」「どの部位が気になるのか」をしっかり伝えましょう。写真やイメージを共有することで、術式の選択がスムーズになります。
オトガイ形成で後悔しないために
オトガイ形成はEライン・Vラインの仕上げに不可欠
骨格と軟部組織を調整することで、横顔や輪郭の完成度が高まります。
骨切り術は悩みによって使い分ける
前方移動、幅の調整、長さの短縮など、それぞれの症状に応じた術式選択が重要です。
顎プロテーゼとの違いを理解しよう
プロテーゼ挿入と異なり、骨を切ることで自然かつ安定した輪郭形成が可能です。
CTシミュレーションで仕上がりイメージを共有
術前に骨格とフェイスラインの動きを確認し、医師と理想の形をすり合わせておくことが大切です。
軟部組織の処理と剥離のバランスが鍵
皮膚や筋肉、脂肪の余剰やたるみを防ぐには、過剰な剥離を避けた丁寧な処理が必要です。
経験豊富な医師の診察とデザイン力が成功のカギ
術中の微調整や最終的なデザインは、医師の判断力と経験に大きく左右されます。自分に合った輪郭づくりには、術前のすり合わせと信頼できる術者選びが何よりも大切です。オトガイ形成を検討されている方は、ぜひご相談ください。
YouTube動画紹介
クリックすると、オトガイ形成手術の解説動画をご覧いただけます。
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2025.07.20