院長コラム
輪郭3点とは、頬骨・エラ・顎を一度に整える小顔形成の施術プランを指します。顔の骨格をトータルに調整することで、より自然でバランスの良いフェイスラインを実現できます。本記事では、輪郭3点のメリットや注意点を含め、手術方法から術後のケアまでを詳しく解説します。
手術では頬骨や下顎骨、オトガイ(顎先)の骨切りや骨削りといった高度な技術が用いられます。これにより、正面だけでなく横顔や斜めから見たラインにも配慮した小顔効果が期待できます。ダウンタイム中の腫れや痛みへの備えも重要なので、しっかりとした術前準備が欠かせません。
実際に輪郭3点を受けた多くの方が、フェイスラインのシャープさや顔全体の印象の変化に満足しています。しかし、大掛かりな手術である分リスクも伴うため、適切なクリニックや医師選びはもちろん、アフターケアや日常生活の改善も含めて総合的に検討することが大切です。
目次
輪郭3点が選ばれる理由
なぜ多くの方が輪郭3点を検討するのか――その背景には、確かなメリットと注意すべきデメリットが存在します。ここでは施術の特徴を整理してご紹介します。
輪郭3点は、頬骨・エラ・顎といったフェイスラインを決定づける3部位を同時に整える施術です。そのため、一度の手術で劇的な小顔効果が期待でき、ヒアルロン酸注入や糸リフト、脂肪吸引、矯正歯科などでは満足できなかった方が相談に訪れるケースも少なくありません。
さらに、正面からの印象だけでなく、横顔や斜めから見た際にも自然な美しさを得られる点は大きな魅力です。複数の骨格を同時に調整することで全体のバランスが整いやすく、洗練された仕上がりへと近づけます。
一方で、大掛かりな骨切りを伴うため、ダウンタイムが比較的長くなることはデメリットです。術後は腫れや痛みが強く出る可能性があり、一定期間は食事制限やフェイスバンテージの着用など、日常生活に制約が生じます。こうしたリスクも理解したうえで準備を進めることが、後悔しないための大前提となります。
※当院では術後にフェイスバンドを使用しない術式を採用しています。
輪郭3点手術の方法と流れ
輪郭3点手術では、複数の骨切り術や骨削り術を組み合わせて理想のフェイスラインを形成します。ここでは主な手術手順と流れを確認しましょう。
一般的には、まずCTスキャンなどの詳細な検査を行い、患者の骨格や理想とするデザインをすり合わせます。さらに、院によっては3Dシミュレーションソフトを活用し、術後の仕上がりイメージを事前に確認できる場合もあります。その後、手術計画が立案され、麻酔下で頬骨・エラ・顎に対する骨切りや骨削りが実施されます。顔の内部組織や神経を考慮しながらアプローチするため、高度な技術と慎重な操作が求められます。
大きく骨を動かす場合、医師の技術力や経験がとても重要です。適切に骨の位置を調整できれば、正面や横からの印象が大きく変わり、自然な小顔を実現しやすくなります。術後は腫れやむくみを経ながら最終的なフェイスラインが定まり、術後数週間から数か月をかけて徐々に仕上がりが落ち着いていきます。
頬骨骨切り(頬骨形成術)
頬骨骨切りは、突出した頬骨を内側や後方に移動させたり削ったりすることで、顔の横幅や正面の印象を改善させる施術です。特に横幅が広い印象を持つ顔立ちには効果的で、ほんの数ミリの削りや骨の移動でも見た目が大きく変わります。
頬骨骨切りを行う際は、口腔内や耳のそばなど目立ちにくい部分からアプローチすることが一般的です。患者の骨格や皮膚の厚み、理想とする顔のボリューム感を考慮し、立体的な設計を行うことで、自然かつ美しい頬ラインを形成します。
エラ骨切り(下顎角形成)
エラ骨切りは、下顎角と呼ばれるエラの省略を目的とした骨切りや骨削りにより、フェイスラインをすっきりとさせる施術です。張り出したエラが小さくなることで輪郭がシャープになり、いわゆるVラインのシルエットに近づきます。
削る量や切除する形状は、一人ひとりの顎の角度や筋肉の構造、皮膚の弾力性などを考慮して決定されます。極端に削りすぎると不自然なラインになりやすいため、経験豊富な医師が安全性と美しさのバランスを見極めることが欠かせません。
オトガイ形成(顎骨切り)
顎先の形が長い、または後退している場合は、オトガイ形成で骨切りや骨の移動を行い、バランスの良い顎を形成します。顎の形状は顔全体の印象に大きく影響するため、頬骨やエラとの組み合わせで最終的なフェイスラインが整いやすくなります。
オトガイ形成では、顎先を前に出す、後ろに引く、あるいは短くするなど多彩な方法が選択されます。患者の目標とするフェイスバランスに合わせたアプローチを取ることで、より自然な仕上がりと高い満足度が得られます。
輪郭3点を受ける前の注意事項とは
安全かつ効果的に手術を受けるためには、事前の検査や準備が欠かせません。ここでは、術前検査の例と注意点、心構えについて解説します。
輪郭3点手術を行う前には、血液検査、レントゲンやCTスキャンなどを用いて骨や神経の位置などを詳細に把握します。医師はそのデータをもとに、どの程度骨を削るのか、切除の範囲はどうするかなどを慎重に検討します。こうした正確な術前の診断が、術後の仕上がりを左右すると言っても過言ではありません。
また、手術当日に向けては禁煙やアルコール摂取の制限など、ライフスタイル面での調整も求められる場合があります。これらの対策を怠ると、術後の回復が遅れたり合併症のリスクが高まる恐れがあるため、クリニックでのカウンセリングを丁寧に受け、必要な準備を着実に進めることが重要です。
輪郭3点のダウンタイムや術後の注意点
骨切りを伴う輪郭3点手術では、ダウンタイムが一定期間必要です。時間の経過とともにどのように回復が進むのか、そのプロセスを確認しましょう。
多くの場合、最初の1~2週間は腫れや内出血が顕著に現れるため、通常の生活に戻るまで時間がかかります。腫れのピークを過ぎると徐々に回復していきますが、完全に落ち着くまでには数か月が必要となることもあります。経過中は定期的にクリニックを受診し、医師の指示に従うことが大切です。
腫れや痛みの強さは個人差があり、気になる場合は鎮痛薬の使用や冷却などのケアを行います。特に食事制限や口腔内ケアが必要とされる時期は感染を防ぐためにも入念な管理が求められます。ダウンタイムを短く感じられるよう、前もって生活のスケジュールを調整しておくと安心です。
術後1週間までの症状とケア
術後1週間くらいまでが最も腫れや痛みが強く出やすい期間です。フェイスバンテージや顎バンドを着用しながら、腫れを抑制するとともに傷口の安静を保ちます。口腔内が傷口になる場合もあるので、うがいやこまめな歯磨きで清潔を維持しましょう。
この時期は固いものを避け、柔らかい食事をメインに摂取します。無理に動かそうとすると痛みが増す恐れがあるため、極力安静を心掛けると回復がスムーズになります。
術後1ヶ月~2ヶ月のフェイスラインの変化
大きな腫れは徐々に引いていき、周囲からは変化が分かりやすくなる時期です。まだ若干の腫れや違和感が残る場合もありますが、輪郭のシルエットがかなり明確になってくるため、鏡を見るたびに手術の成果を実感できるでしょう。
痛みは大幅に軽減され、多くの方が日常生活をほぼ問題なく送れるようになります。医師からは軽い運動、食事、姿勢についてなど指導されることがあり、回復と輪郭の安定をサポートするために積極的なケアを続けることが望ましいです。
長期的なメンテナンスと日常生活のポイント
骨格が最終的に安定するまでには数か月から半年ほどかかることがあります。この間に無理な咀嚼や運動を控え、時期に応じた過度な負荷をかけないように注意しましょう。傷跡そのものは目立ちにくい場合が多いものの、腫れや軽いしびれが長引くケースもあるため、焦らずに回復を待つことが大切です。
長期的に手術後の骨格を維持するためには、姿勢の改善や口元の使い方などを意識することが有効です。食生活のバランスを整え、定期的にクリニックで検診を受けることで、不安な点や違和感が早期に発見されやすくなります。
リスク・副作用・後遺症を防ぐには
大がかりな手術となる分、リスクや副作用について知っておくことが重要です。ここでは起こり得るリスクと、そのリスクを最小限に抑えるための対策を説明します。
輪郭3点手術によるリスクとしては、神経損傷や感染、顎関節への影響などが挙げられます。医師が解剖学的構造を正確に把握し安全に配慮していても、リスクはゼロではありません。万が一の症状が続いたり悪化したりした場合は、早急にクリニックを受診して適切な治療を受けることが大切です。
副作用や後遺症を防ぐためには、信頼できる医師選びはもちろん、術後のガイドラインをしっかり守ることが不可欠です。禁煙や適切な栄養摂取、過度な負荷を避ける生活習慣を徹底することで、回復期間を短縮し合併症のリスクを減らすことができます。
また、韓国で手術を行い感染して帰国し当院を受診するケースも増えています。渡韓して手術を行う際には、滞在中のサポートや帰国後のフォローアップ体制についても確認しておきましょう。
輪郭3点で後悔しないためのクリニック・医師選びのポイント
施術の成功は医師の技術や経験だけでなく、カウンセリングの質にも大きく左右されます。信頼のおけるクリニックを見極めるためのチェックポイントを紹介します。
まずは、経験豊富な医療チームが在籍していることを確認しましょう。輪郭3点のように大掛かりな手術では、麻酔科医や看護師など複数の専門スタッフが一丸となって施術を支えます。特に、骨切り技術に長けている医師の存在は手術成功の大きな鍵となります。
次に、初回カウンセリングの際の対応も重要です。患者の悩みにじっくり耳を傾け、具体的な術後イメージの共有やリスク説明が丁寧かどうかを見極めましょう。また、アフターケアの体制が整っているクリニックであれば、術後のトラブルにも迅速に対応してもらえるため安心感があります。
当院ではCTと3Dシミュレーションが込で、初回対面カウンセリングが無料になります。
費用・料金と保険適用の有無
輪郭3点手術は、美容目的の場合は保険適用外となることが一般的です。費用の目安や、まれに保険適用されるケースがあるかなどを確認しておきましょう。
輪郭3点の施術費用は、トータルで数百万円に及ぶことが一般的です。クリニックや施術範囲、医師の経験などによって異なりますが、200万円から400万円程度の料金設定となるケースが多いと言われています。事前のカウンセリングで内訳をしっかり確認し、納得の上で契約を結ぶことが大切です。
医学的に顎変形症などの診断がなされ、咬み合わせの改善が目的であると判断された場合には、ごくまれに保険が適用される可能性があります。しかし美容目的が強い輪郭3点では、ほとんどの場合は保険外診療となるため、自身の希望や予算を明確にしておくことが重要です。
よくある質問(Q&A)
Q: 術後はどれくらいで腫れが気にならなくなりますか?
A: 個人差はありますが、1~2週間後に目立った腫れは徐々に引き、1か月程で落ち着いてくるケースが多いです。ただし骨の状態が安定するまでには数か月かかることも珍しくありません。
Q: 痛みが怖いのですがどのくらい大変ですか?
A: 痛みの感じ方には個人差がありますが、手術は全身麻酔で行うため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。術後は痛みや腫れ、こわばりが一定期間続くことがありますが、鎮痛剤の使用や安静を心がけることで、多くの場合は十分にコントロール可能です。
Q: 施術を受けられないケースはありますか?
A: 重度の持病がある方や、CTや血液検査結果によっては手術のリスクが高まると医師が判断した場合には施術を見送ることがあります。各自の健康状態や既往症を正直に申告し、安全性を第一に考えた上で施術を受けるか判断されるのが望ましいです。
満足度の高い輪郭3点の実現に向けて
輪郭3点の手術は、一度の施術で頬骨・エラ・顎を整えるため、満足度の高い小顔効果が期待できます。最後に重要なポイントを整理し、理想のフェイスライン実現のために何を意識すべきかをまとめます。
大きな変化を得られるからこそ、リスクやダウンタイムへの理解が不可欠です。術前の検査やカウンセリングで十分に情報を得た上で、医師とのコミュニケーションを密に取り、理想のフェイスラインを明確にしておきましょう。
また、術後の経過には個人差があるため、焦らずに長期的な見通しを持って過ごすことが大切です。信頼できるクリニックと医師を選び、適切なアフターケアや生活の工夫を続けることで、より高い満足度と自然な小顔を手に入れやすくなります。
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2025.09.03