院長コラム

額・おでこを自然に丸くするには?注入治療と手術の比較

額・おでこを丸くする施術の選び方

額やおでこの形は、第一印象を大きく左右する重要なパーツです。なめらかで丸みのある額は、女性らしさや柔らかい雰囲気を演出し、横顔の美しさも引き立てます。

当院でも、「額をもっと丸くしたい」「ごつごつ感をなくしたい」という相談は非常に多く、年齢層も20代〜50代まで幅広い年代で相談が寄せられます。美しい額のラインを求める女性はもちろん、より自分らしい表情を手に入れたいトランスジェンダーの方からもご相談をいただきます。

患者様からはよく「先生、一番いい方法はどれですか?」と聞かれます。しかし、美容医療において“絶対的に正解な方法”は存在しません。仕上がりの質感、持続期間、ダウンタイム、費用、そしてリスクを総合的に判断し、その人にとって最適な選択をすることが大切です。

当院では、額・おでこを丸くする方法として、

  1. ヒアルロン酸注入

  2. 脂肪注入

  3. ハイドロキシアパタイトを使った骨形成手術
    の3つご提案しています。それぞれの特徴を詳しく解説します。

ヒアルロン酸注入で額を丸くする

施術の特徴とメリット

ヒアルロン酸注入は、最も手軽で即効性のある方法です。局所麻酔を使い、注射で製剤を入れて形を整えます。施術時間はおよそ15〜30分、ダウンタイムもほとんどなく、翌日から通常生活に戻れる方がほとんどです。

当院では「レスチレン」という製剤を採用しています。これは、局所的にヒアルロン酸が集まりにくく、組織になじみやすいため、表面の凹凸が出にくいのが特徴です。注入直後から変化がわかるので、大事なイベント前に受ける方もいます。

リスクと注意点

ヒアルロン酸は血管塞栓のリスクがあります。特に眉頭の周辺には重要な血管があり、万が一塞栓が起これば皮膚壊死や視力障害の危険もあります。施術の際には必ず逆血確認やカニューレ使用など安全対策を徹底しています。

また、ヒアルロン酸は吸収されるため、持続は6か月程度。繰り返し施術が必要になり、長期的にはコストがかかる点も考慮が必要です。

脂肪注入で額を丸くする

自然なボリューム維持

脂肪注入は、自分の太ももやお腹から脂肪を採取し、遠心分離機で濃縮して額に注入します。人工物を使わないためアレルギーの心配がなく、定着すれば長期間ボリュームを維持できます。

特に、もともと痩せ型で額の骨感が強い方には、ヒアルロン酸よりも柔らかい仕上がりを好むケースもあります。

質感と吸収の課題

ただし、額は皮膚が薄く脂肪が少ないため、注入した脂肪が柔らかく感じられ、骨本来の硬さとは異なる質感になることがあります。さらに、注入量の一部は吸収されてしまい、定着後は最初の注入量より少なくなるのが一般的です。

初回施術ではやや多めに入れ、吸収後に再注入して理想形に近づけるプランをご提案していますが、生着率には個人差があり、思ったボリュームが得られないことがあります。

骨形成手術で額を丸くする方法

自然な質感と形の自由度

ハイドロキシアパタイトは、人間の骨に近い硬さと性質を持つ、安全性の高い医療用素材です。額の骨の上に形を整えて乗せ、その上から皮膚を戻すことで、見た目も触った感触も自然な仕上がりになります。

この方法の強みは「引き算」ができること。注入治療は足し算のみですが、手術では眉骨など不要な出っ張りを削り、滑らかなラインに整えることができます。女性らしい丸みを作りつつ、全体のバランスを細かくデザインできるのです。

手術方法とダウンタイム

手術は全身麻酔で行います。頭頂部を切開して術野を展開し、骨に直接アプローチするため、確実の高い形が作れます。腫れや内出血は2〜4週間程度続きますが、その分仕上がりの持続性と自然さは高くなります。

額・おでこを丸くする手術の魅力

経験上、手軽な施術よりも、骨格から変える大掛かりな手術の方が自然に見えることがあります。それは、骨格レベルで形を整えることで、表情や動きに合わせた自然な陰影が生まれるからです。

例えば、額の丸みと眉間の凹凸のバランスを一度に整えることで、横顔のラインが自然に流れ、光の反射も美しくなります。注入治療ではこれほど精密なコントロールは難しいのです。

額・おでこを丸くする治療選びのコツ

額やおでこを丸くする方法を選ぶときは、次の5つを必ず考慮してください。

  1. 質感:触ったときに自然かどうか

  2. 持続期間:どのくらい形を保てるか

  3. ダウンタイム:日常生活に戻れるまでの期間

  4. 費用:初期費用とメンテナンス費用の合計

  5. リスク:医師の経験値と安全対策

当院ではカウンセリングで必ず複数の選択肢を提示し、メリットとデメリットを包み隠さず説明します。納得してから治療に進むことが、満足度の高い結果につながるためです。

こんな額・おでこの悩みはありますか

  • 額(おでこ)の形が平らで丸みがほしい

  • 横顔のラインを整えて、額から鼻筋のバランスを改善したい

  • 額の骨の出っ張りや凹凸が気になる

  • 額ヒアルロン酸や脂肪注入治療と手術、どちらが自分に向いているか知りたい

  • ダウンタイムやリスクを含めて、最適な施術方法を知りたい

  • 長期的に自然な丸みを維持できる治療を希望している

額のお悩みがある方は、当院にご相談ください。

よくある質問

Q1. ヒアルロン酸注入はどのくらい持続しますか?
A. 製剤や量にもよりますが、6か月程度で吸収されます。

Q2. 脂肪注入とヒアルロン酸注入の違いは?
A. 脂肪注入は定着すれば長期維持できますが、柔らかい質感になります。ヒアルロン酸は手軽ですが持続は短めです。

Q3. 手術のダウンタイムはどれくらいですか?
A. 腫れや内出血が落ち着くまで2〜4週間程度です。

Q4. 注入と手術、どちらが自然に見えますか?
A. 自然さを重視する場合は、骨格から整える手術の方が有利です。骨の形そのものをデザインできるため、表情や動きの中でも違和感が出にくくなります。
ただし、ヒアルロン酸や脂肪注入に比べて費用が高く、ダウンタイムも長くなる傾向があります。
当院では手術前にシミュレーションを行い、術後にどのような仕上がりになるかを事前に確認していただけるため、納得した上で選択していただけます。

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2025.08.10

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