院長ブログ

上顎をルフォー1とセットバックの2ピースで動かす

今回ご紹介する患者様は
受け口顔貌でかつ上顎前歯が前に強く傾斜した状態でした。
行なった施術は
両顎手術(顎矯正手術)+上顎前方分節骨切り術(ASO、セットバック)
(オトガイ形成も含む)
です。
術後1年が経過したので、ご紹介します。

1、術前の状態

術前は受け口感が強い輪郭でした。具体的には横から見ると頬はフラットで、鼻翼基部は後方にあり陥凹した見た目でした。人中の傾斜があり、前歯の傾斜も強く、見た目出っ歯感もありました。それに伴い口角も下がるため、口を閉じているだけで不機嫌そうに見えてしまう口元でした。下顎は前方に位置していて、そのために面長感もありました。咬合に関してはアングルの分類でクラス3に分類される受け口の咬合でした。

2、プラン

まず咬合はクラス1となるようなプランが矯正歯科医より届きましたので、その位置情報をシミュレーションソフトに組み込んで、骨切りプランを組み立てました。
選択した術式は両顎手術と呼ばれる顎矯正手術です。上顎骨をルフォー1骨切り術、下顎を矢状分割骨切り術(BSSO)、オトガイ形成で骨切りを行うのが通常ですが、今回は上顎を2ピースで動かしています。
2ピースとは、ルフォー1骨切り+前方分節骨切り術を同時に行う方法です。これは上顎前歯の唇側傾斜が強い、つまり出っ歯感が強い場合に選択することがある骨切りプランです。
この咬合のパターンの場合、実は選択肢が2通りあります。まず一つは通常通りルフォー1骨切りで上顎を動かして、術後矯正で4番抜歯で矯正をして、前歯の傾斜を整える方法です。もう一つは2ピースで動かす方法です。同時に手術を行う場合は術中に4番抜歯を行います。
どちらの方法も利点欠点があるため、どちらがより良いという方法ではないのですが、治療経過も若干異なるため患者様とも相談しながら選択します。今回は手術で2ピースで動かし、術後矯正の期間を短縮させるという方針で治療を進めました。

3、正面

正面では顎先の若干の左シフトがあります。鼻翼基部の陥凹がわずかにわかります。口角はやや下がった状態でした。右の術後1年を見ますと、こうかくがしっかりあがり、上唇の立体感が自然になっているのがわかります。

両顎手術とセットバックを同時に行う2ピースプラン。受け口を改善させました。

左:術前 右:術後1年

4、斜め

斜めから見るとより口角の下がりがわかりやすくなります。上下顎共に回転をかけて下顎を後方に移動しているため、中顔面の立体感がでて小顔感もでます。下顎を下げたい場合は並行移動で後方に下げることもできるのですが、それだと頬の緩やかなカーブや鼻翼基部の陥凹の改善が少なくなるため、しっかり回転をかける必要があります。

両顎手術とセットバックを同時に行う2ピースプラン。受け口を改善させました。

左:術前 右:術後1年

5、横

横から見ると頬のフラットさ、鼻翼基部の陥凹、人中の前方傾斜、口角の下がり、下唇の位置関係、顎先の大きさなどがわかりやすくなります。

両顎手術とセットバックを同時に行う2ピースプラン。受け口を改善させました。

左:術前 右:術後1年

6、笑顔

笑った時の人中の動きや前歯の見え方、口角の動きが改善します。オトガイ形成で縦の長さも調整しているため、より小顔感を作ることができます。

両顎手術とセットバックを同時に行う2ピースプラン。受け口を改善させました。

左:術前 右:術後1年

7、その他

両顎手術とセットバックを同時に行う2ピースプラン。受け口を改善させました。

左:術前 右:術後1年

8、まとめ

2ピースで動かす場合、プランニングはより複雑になり、術中の骨移動や調整はかなり煩雑になります。ただ、術後抜歯してからの矯正で歯を1本分動かすのは歯根への負担も増えますので、2ピースで動かすメリットはかなり大きくなります。この方法で行う場合は、3Dシミュレーションソフトは必須になりますし、2ステント法で行わなければ、術中の調整は困難を極めます。

いずれ3Dシミュレーションと2ステント法に関してもブログで説明したいと思っています。

今回は上顎前歯の傾斜が強い受け口輪郭の患者様に、両顎手術+上顎前方分節骨切り術で立体感のある小顔に変えた1年後の経過をご紹介しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

🏥顎矯正手術治療代:2,750,000(税込)
目隠しモニター:2,420,000 (税込)
顔出しモニター:2,090,000(税込)
術前検査代、麻酔代、術後CT代は別途
📸モニター募集中

🩹リスク:疼痛、出血、血腫、感染、神経障害、咬合異常など

⚠️経過や結果には個人差があります。施術内容、経過など十分理解した上で施術をご検討ください。術後気になる症状があれば、受診してご相談ください。術後の経過を安全に見ていくために、定期的な受診が必要です。

《輪郭の治療で当院が選ばれる理由》

1.2014年から美容外科で積み上げた豊富な骨切りの経験があります。
2.両顎は「Dolphin®」を用いてミリ単位でシミュレーションを行います。
3.院内CTで術前、術後スムーズに検査ができます。
4.アフターフォローもしっかりします。
5.連携施設は東大口腔外科、矯正歯科3院(東京2院、大阪1院)があります。
6.輪郭の治療として、脂肪吸引、バッカル、糸リフト、ハイフなどのご提案をすることも可能です。
7.完全予約制なので診療がスムーズです。

🏥リノクリニック東銀座
104−0061東京都中央区銀座3丁目11−13松本銀座ビル9
☎️03-5550-5557
🌏web予約受付中

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2023.01.19

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