院長コラム

美容外科の中でも、骨切り手術は輪郭やフェイスラインに大きな変化をもたらす施術です。骨を切ったり削ったりするという、美容外科の中でも大きな手術のため、ダウンタイムが長く、痛みや腫れ、内出血、感覚の鈍さといった症状が出るのは一般的です。

しかし、仕事や学校、家庭、そしてプライベートを考えると、できるだけダウンタイムを短くしたいという方が多いのではないでしょうか。「術後の過ごし方でダウンタイムが変わるの?」と思う方もいるかもしれませんが、私の臨床経験では回復スピードに大きな差が出ることを何度も見てきました。NG行動を避け、正しいケアを実践することで、ダウンタイムを最小限に抑えることも可能です。ここでは、ダウンタイムを悪化させるNG行動4つと、その理由、さらに手術後を快適に過ごすためのポイントを医師の視点から解説します。

骨切り手術のダウンタイムとは?

ダウンタイムの症状と経過の目安

  • 腫れのピーク:術後4日目頃がピークとなります。
  • 2週間後:徐々に大きな腫れが引いていく時期です。
  • 1ヶ月後:見た目は落ち着いたように見えますが、まだ鼻や顎周囲にむくみが残ります。
  • 3〜4ヶ月後:むくみもおさまり、顔全体がすっきりした印象になります。
  • 半年後:ダウンタイムが落ち着き、最終的な仕上がりといえる状態になります。

術後は個人差がありますが、痛み・むくみ・内出血に加え、感覚の鈍麻(しびれ)もあります。回復スピードを左右するのは術後の過ごし方です。

骨切りダウンタイムを悪化させる原因とは?

以下の行動は、腫れやむくみを長引かせ、感染や仕上がりにも悪影響を及ぼす可能性があります。

避けるべき4つの行動と対策

1. 寝たきりで過ごすのはNG

理由:頭の位置が低いと血流が滞り、腫れやむくみが悪化します。長時間寝たきりでいると回復が遅れ、内出血も長引く原因に。

対策:

  • 枕を重ねて頭を高くし、約30度の角度で安静にする
  • 昼間はできるだけ起きて過ごし、夜にしっかり睡眠をとる
  • 可能であれば軽く歩いて血流を促進

2. 喫煙は回復を遅らせる危険行為

理由:ニコチンが血管を収縮させ、血流が悪化して傷の治りを妨げます。感染リスクや腫れの長期化、傷口の開きにもつながります。

対策:

  • 術後1ヶ月以上は禁煙を徹底
  • 手術前から禁煙を開始し、術後も継続することでトラブル回避

3. 歯磨きを怠ると感染リスクが高まる

理由:骨切り手術の切開部は口腔内。衛生管理が不十分だと感染リスクが高くなります。感覚の鈍さで磨き残しやすい点にも注意。

対策:

  • ヘッドの小さい歯ブラシを使い、手鏡で確認しながら磨く
  • 1回あたり20〜30分を目安に丁寧に歯磨き
  • 仕上げにマウスウォッシュを併用

4. 硬いものを食べると回復に悪影響

理由:術後は口の開閉が制限されるため、硬い食べ物は切開部に負担をかけ、痛みや炎症を悪化させます。

対策:

  • おかゆ、スープ、ヨーグルトなど柔らかい食事から開始
  • 栄養バランスを意識し、段階的に固形食へ移行
  • 飲むだけの食事はNG。顎の機能回復のため、少しずつ噛む練習を取り入れる

ダウンタイム軽減のまとめ

  • 頭を高くして安静に過ごす
  • 喫煙・飲酒は控える
  • 食事は柔らかく、栄養バランスを重視
  • 歯磨きと口腔ケアを徹底し感染予防
  • 軽い運動と質の高い睡眠を確保

骨切り手術後の回復は、ダウンタイム中の過ごし方で大きく差が出ます。適切なケアを怠ると腫れやむくみが長引き、感染や仕上がりに悪影響を及ぼします。正しいケアを実践し、NG行動を避けることが安全で美しい仕上がりへの近道です。

骨切り手術後におすすめの栄養サポート

術後の回復をスムーズにするためには、外側のケアだけでなく、内側からのサポートも大切です。特に、ビタミンCビタミンDは、創傷治癒と免疫サポートに不可欠な栄養素です。

ビタミンCの役割

コラーゲン生成を促し、腫れや内出血の回復を助けます。術後は通常よりも消耗が激しくなるため、1,000〜2,000mgを目安に摂取しましょう。

ビタミンDの役割

炎症を抑え、免疫バランスを整える働きがあります。日光不足や手術ストレスで不足しやすいため、2,000IU程度の補給がおすすめです。

おすすめサプリ:ワカサプリ ビタミンC+D

医療機関専売の高品質サプリメントで、1包にビタミンC 3,000mgとビタミンD 4,000IUを配合。1包に両方の成分が入っている粉末タイプなので、術後でも続けやすい設計です。

  • 特徴:国内GMP認定工場で製造、安全性重視
  • 推奨摂取:1日1包、お水やぬるま湯で食後に摂取

よくある質問(Q&A)

Q1:腫れを早く引かせるには?
A1:頭を高くして休む、禁煙、栄養バランスの取れた食事、軽い運動が有効です。
Q2:歯磨きできない場合は?
A2:マウスウォッシュや口腔洗浄を併用し、できる範囲でブラッシングを続けてください。
Q3:通常の食事に戻れるのはいつ?
A3:目安は2〜3週間後にやわらかい固形物、1ヶ月で通常食に近づきます。

 


骨切り手術ダウンタイム NG行動解説動画

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監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2025.07.31

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