院長コラム
目次
腋臭症(ワキガ)とは?原因と特徴
腋臭症(ワキガ)は、脇の下にあるアポクリン汗腺が分泌する汗が皮膚常在菌に分解され、特有の臭いを発する状態です。日本では体臭ケアへの意識が高く、夏の汗の匂いや加齢臭に加えて、ワキガについても人目を気にする方が多い傾向があります。そのため、ワキガの治療を検討して医療機関に相談する方が当院では年々増えています。
典型的なサイン
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脇から強い臭いがある
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衣類に黄色い汗ジミ
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家族に同症状があることが多い
- 周囲に匂いを指摘された
軽度なら市販の制汗剤で対応できますが、日常生活に支障がある場合は医療的治療が可能です。
ワキガの治し方と治療法
1. ミラドライ(切らない治療)
マイクロ波で汗腺を熱変性させる施術です。
メリット
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切らないので傷跡ができない
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ダウンタイムは比較的短い(腫れ・内出血は1週間程度)
デメリット
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再発リスクがある
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アポクリン汗腺を完全に破壊できない
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保険適用外のため費用が高い(両脇1回で約20〜40万円、場合よっては2回治療することもあります。)
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照射後に皮膚が線維化 するため、その後の手術が難しくなる可能性がある
2. ボトックス注射
神経伝達をブロックして発汗を一時的に抑制する治療です。
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効果:約4〜6か月
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軽度〜中等度の症例向け
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保険適用なし(費用:数万円)
メリット
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切らない治療で傷跡なし
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施術時間が短い(約10分)
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ダウンタイム少ない
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多汗症や軽度ワキガに有効
デメリット
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効果は一時的(約3〜6か月)※効果には個人差あり
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根治できないため継続治療が必要
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施術時の注射の痛みあり
3. 保険適用のアポクリン汗腺除去手術
臭いの根本原因であるアポクリン汗腺を直接除去する手術。
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効果:根治性が高い
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保険適用あり(診断基準を満たす場合)
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自己負担3割:約47,000円(両側)
手術も検討されている場合には、ミラドライ後だと手術が難しくなるためミラドライか手術を検討している場合は、ご相談いただければ一人ひとりにあう治療をご提案させていただきます。
ワキガ手術のメリット
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根本治療が可能:アポクリン汗腺を直接除去するため再発リスクが低い
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保険適用がある:条件を満たせば3割負担で約47,000円で治療可能
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当院では小切開法を採用:約18mmの切開で傷跡を目立ちにくい
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一度の手術で長期的な効果が期待できる
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静脈麻酔を併用可能で、眠った状態で手術できるため手術が不安だったり、手術が怖いと思っている方にも安心して受けていただけます。
ワキガ手術のデメリット
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ダウンタイムが必要:圧迫固定を3日間、赤みや硬さは数か月続くことも
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麻酔注射時の痛み:局所麻酔や注射時にチクッとする痛みあり
(※当院では静脈麻酔で痛みや恐怖を軽減しています。) -
出血や血腫、感染など手術特有のリスクがある
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術後に腫れ・内出血・一時的な感覚鈍麻が出る場合がある
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手術時間は両側で約70分、日帰りだがスケジュール調整が必要
治療法 メリット デメリット ワキガ手術 ・アポクリン汗腺を除去し根本治療
・保険適用で経済的負担が少ない
・当院は約18mmの小切開で傷跡最小限・ダウンタイムあり(圧迫3日間)
・麻酔注射時に痛み
・術後ケアが必要ボトックス注射 ・切らない治療で傷跡なし
・施術時間が短い(約10分)
・ダウンタイムほぼなし・効果は一時的(3〜6か月)
・繰り返し治療が必要
・注射時の痛みミラドライ ・切らない施術で傷跡なし
・ダウンタイムが短い・再発リスクあり
・費用が高い(自費)
・施術後の線維化で手術が難しくなる可能性
リノクリニックのワキガ手術の特徴
従来の手術は脇中央を3.5〜4cm切開する方法が一般的でしたが、当院では約18mm(1.8㎝)の小切開でアポクリン汗腺を除去します。
メリット
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傷跡が小さく目立ちにくい(当院は約18mmの小切開)
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術後のトラブルが少ない(感染や血腫リスクを低減)
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小切開でも皮膚を反転し、汗腺を直接確認して除去可能
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保険適用で経済的負担が少ない(条件を満たせば約47,000円)
安全性
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外科専門医が施術を担当
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腋臭症手術の豊富な症例経験
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無菌操作と確実な止血による血腫、感染予防
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静脈麻酔の併用で痛みや不安を軽減
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術後ケアの徹底(圧迫固定・経過観察)
ワキガ手術後の経過と注意点
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3週間:圧迫固定を継続。翌日より毎日シャワー可。
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2週間:腫れ・内出血が軽減。
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2〜3か月:赤みが薄れ、硬さが軽減。
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半年:ほぼ目立たない状態に。
ワキガ手術は静脈麻酔が可能
局所麻酔のみでも可能ですが、「痛みや注射が怖い」方には静脈麻酔を併用し、眠った状態で手術できます。手術中の記憶はなく、リラックスして受けられます。
ミラドライと手術どちらがいいの?
ミラドライを選ぶ理由
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切らない治療を希望
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ダウンタイムを短くしたい
手術を選ぶ理由
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再発を避けたい
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保険適用でコストを抑えたい
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効果を持続させたい
<注意>
ミラドライ後に手術を希望される方が増えていますが、その場合、線維化により再手術が難しくなるケースが多いです。
初回から根治を希望するなら、手術をおすすめします。
ワキガ手術の保険適用と費用
ワキガ手術が保険適用になるのは、臭いが強く日常生活に支障をきたしていると医師が診断した場合です。条件を満たすと、健康保険が適用され、自己負担は3割で約47,000円程度で治療を受けることができます。
ワキガ治療でよくある相談例
「ミラドライを2回受けたが、まだ臭いが残る」と来院されたケースがあります。この方は、皮膚が硬くなっており、手術に時間を要しました。
→ こうした再手術の難しさを考えると、初回から適切な方法を選ぶ重要性がわかります。
まとめ
ワキガ治療は、目的やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。再発リスクを避けたい方には、保険適用で根本治療が可能な手術がおすすめです。傷跡を残したくない、または軽度の方にはミラドライが適しています。費用を重視する場合は、保険適用の手術で約47,000円(3割負担)で受けられるのも大きなメリットです。当院では、約18mmの小切開で傷跡を目立たなくし、再手術不要を目指した施術を提供しています。ワキガにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
よくある質問
ワキガ手術は保険適用されますか?
臭いが強く、日常生活に支障をきたす場合、腋臭症手術は保険適用になります。
自己負担は3割で約47,000円(両側)です。※概算になりますので、詳しくはカウンセリングにお越しください。
ミラドライと手術どちらがいいですか?
切らずに短期間で改善を目指すならミラドライ、再発を避けたいなら手術がおすすめです。
当院では約18mmの小切開術式を採用し、傷跡を最小限に抑えています。
手術後の傷跡は目立ちますか?
当院では小切開術式を採用しているため、半年程度でほとんど目立たなくなります。
術後2〜3か月は赤みが残る場合がありますが、時間とともに自然に馴染みます。
▶ ミラドライと手術どっち?医師が徹底解説!
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2025.07.28