院長コラム

マイクロボトックスとプロファイロの併用効果|おすすめな人を外科専門医が解説

「ファンデーションが毛穴に落ちる」「フェイスラインがぼやけてきた」——東銀座の当院でよく伺う悩みです。マイクロボトックスとプロファイロの併用は、肌表面のキメや毛穴、テカリと、内側のハリ不足を同時にアプローチできるため、単独の施術よりも高い満足度につながりやすい治療です。私の診療では、毛穴とテカリが気になる方にはマイクロボトックスを、乾燥小じわとハリのなさが主訴の方にはプロファイロを基軸にし、両方に当てはまる方には併用をおすすめしています。ダウンタイムはどちらも軽く、注射当日からメイクが可能な方がほとんどです。

この記事でわかること
・マイクロボトックスとプロファイロは、それぞれ何に効く施術なのか
・2つを併用したときに期待できる効果と、相性の良い悩み
・併用がおすすめな人・あまり向かない人の見分け方
・ダウンタイム、効果が出る時期、料金の確認先

マイクロボトックスとは何か

マイクロボトックスとは、通常より薄めたボツリヌストキシン製剤を、皮膚のごく浅い層(真皮から真皮直下)に、1回あたり数十〜百数十か所に分けて微量ずつ注射する方法です。筋肉そのものを強く止める従来のボトックス注射とは目的が違い、表情は動かしたまま、肌のキメ・毛穴・テカリ・細かいシワを整えることを狙います。

私は、外科医として20年以上、組織の層を見ながら手を動かしてきた立場から言うと、マイクロボトックスの成否は「濃度」と「深さ」でほぼ決まります。深く入れすぎれば笑ったときの表情が硬くなり、浅すぎれば効きが出ない。海外の総説でも、注入濃度や注入点の数が結果と副作用を左右する点が繰り返し指摘されていて、10〜20単位/ccという比較的薄い濃度で、皮内に多数点打つ方法が中心だと報告されています。

なぜ毛穴やテカリに効くのか。皮脂腺や汗腺はアセチルコリンという神経伝達物質の刺激を受けて働きます。ボツリヌストキシンはこのアセチルコリンの放出を抑えるため、皮脂の分泌や微小な汗が落ち着き、結果として毛穴の開きが目立ちにくくなり、Tゾーンのテカリが減る。さらに表情筋の表層にある細かい筋線維の収縮がゆるむことで、肌表面の「細かいヨレ」が減ります。

カウンセリングでよく聞かれるのが「表情が不自然になりませんか」という質問です。私はいつも「マイクロボトックスは、むしろ不自然さを避けたい方向けの打ち方です」とお答えしています。ただし口まわりや下まぶたは量を間違えると笑いにくさが出るので、当院では初回は控えめの量から入り、2週間後の経過を見て追加するかを判断しています。

プロファイロの効果と仕組み

カウンセリングルームで肌の毛穴やハリについて医師の説明を受ける女性|リノクリニック東銀座

プロファイロは、高濃度のヒアルロン酸を、架橋剤(固める薬剤)をほとんど使わずに安定化させた注入剤です。目的は「形を作ること」ではなく「肌質そのものを底上げすること」。頬やフェイスラインの決まった5点ほどに注入し、薬剤が皮下に広がって線維芽細胞を刺激することで、コラーゲンやエラスチンの産生を促すという考え方に基づいています。

フィラー(ヒアルロン酸注入)と混同されがちですが、役割はまったく違います。鼻や顎を高くする、ゴルゴ線の凹みを埋めるといった「ボリューム補充」ではなく、肌全体の水分保持力とハリを取り戻す施術。だから効果の出方もゆるやかです。一般的には4週間あけて2回を1クールとし、半年前後での再施術をすすめられることが多い。当院でも、まずは2回で評価していただくようご案内しています。

実際の診療で感じるのは、「たるみ」という言葉で来院される方の中に、本当は皮膚の弾力低下だけが原因というケースが一定数あるということです。40代前半の方で、糸リフトを希望して来られたものの、よく見ると下垂というより乾燥と弾力低下でフェイスラインがぼやけて見えているだけ、というパターン。こういう方にいきなり糸を入れても満足度は上がりません。先に肌の土台を整えたほうが、結果的に費用も少なく済みます。

ほうれい線に関しては、ポリヌクレオチド製剤を先に入れてから架橋ヒアルロン酸を注入すると仕上がりが良いという比較試験も海外で報告されています。「土台を整えてから形を足す」という順番の考え方は、プロファイロの使い方とも通じるものがあります。

併用でどんな効果が出るのか

併用の効果をひと言でまとめると、「表面の質感」と「内側のハリ」を同時に押し上げられることです。マイクロボトックスは毛穴・テカリ・細かいヨレといった皮膚表層のコンディションに、プロファイロは真皮の水分量とコラーゲン産生に働く。作用する層とメカニズムが重なっていないので、互いの効果を打ち消しません。

もう少し具体的に書きます。マイクロボトックスを単独で受けた方からよく出る感想が「毛穴とテカリは落ち着いたけれど、乾燥っぽさは残る」というもの。一方プロファイロ単独では「もっちりしてハリは出たが、毛穴の開きはそのまま」という声が出ます。この2つの不満は、ちょうどお互いを埋め合う関係にあるんです。

私が併用で特に手応えを感じているのは、頬の上部から口角にかけてのエリアです。ここは皮脂分泌も多く、同時に加齢で弾力が落ちやすい。マイクロボトックスで皮脂と細かい筋収縮を落ち着かせたうえで、プロファイロで真皮を潤すと、光の反射が変わって「肌が明るく見える」と言われる方が多い。術後1か月の検診で「化粧ノリが変わった」と話される方が一番多いのが、この併用の組み合わせです。

海外では、フラクショナルレーザー・低架橋ヒアルロン酸・マイクロボトックスの3つを組み合わせた臨床研究で、単独治療より良好な結果が得られたと報告されています。注射系の治療を組み合わせることで、見た目だけでなく自己評価や生活の質まで改善したとする文献レビューもある。複数のアプローチを重ねる発想自体は、国際的にも支持されつつある方向性だと考えています。

ただし、正直に言うと万能ではありません。はっきりした皮膚のたるみ、深い溝、骨格由来の輪郭の悩みにはどちらも力不足です。そこは注射で粘らず、別の選択肢を提示するのが誠実だと思っています。

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併用がおすすめな人の特徴

鏡に顔を近づけて頬の毛穴や肌のキメを確認する30代の女性|リノクリニック東銀座

併用をおすすめしやすいのは、次のような方です。

STEP 1|毛穴とハリ、両方が気になる

「夕方になると毛穴落ちする」かつ「頬を触ると弾力がない」。この2つが同時にある方は、併用の相性が良い典型例です。

STEP 2|大きく変えたくない、でも何もしないのは不安

ヒアルロン酸で形を変えるのは抵抗がある、糸はまだ早い気がする。そういう30代後半〜40代の方に、私はよくこの組み合わせを提案します。

STEP 3|写真や人前に立つ機会が多い

銀座や東京都内でお仕事をされている方は、ダウンタイムを取れないことが多い。どちらも注射のみで、腫れが出ても数時間〜翌日程度の方が大半です。

STEP 4|脂性肌でテカリとニキビ跡の凹凸が気になる

皮脂コントロールが効くマイクロボトックスと、真皮を整えるプロファイロの相性が活きる場面です。

逆に、あまり向かないのはどういう方か。ここは正直に書きます。まず、フェイスラインの垂れ下がりがはっきりしている方。皮膚と脂肪が実際に下がっているケースは、注射では持ち上がりません。次に、顎下の脂肪が厚く二重顎が主訴の方。これも対象が違います。そして妊娠中・授乳中の方、神経筋接合部の疾患がある方はボツリヌストキシン製剤自体が適応外です。

私は、注射で無理に引っ張るより「今は肌質だけ整えて、2〜3年後に別の手を考えましょう」とお伝えすることもあります。中央区にある当院は、外科手術も行うクリニックです。だからこそ、注射で届く範囲と届かない範囲の線引きははっきりさせたい。それが結果的に患者さんの信頼につながると考えています。

併用の料金とダウンタイム

ダウンタイムは、どちらも軽い部類に入ります。マイクロボトックスは注射点が多いため、直後に針跡の赤みや小さな膨らみが出ますが、多くの方が15〜60分でほぼ目立たなくなります。プロファイロは注入直後に5か所前後の膨らみ(ふくらみは「ブレブ」と呼ばれます)ができますが、こちらも数時間から長くて翌日には吸収されていくのが一般的です。内出血が出た場合は、1〜2週間かけて黄色く変化しながら引いていきます。

当日の注意としてお伝えしているのは次の3点です。注射当日は長時間の入浴・サウナ・激しい運動・飲酒を控えること。マイクロボトックス後は施術当日に強く顔をマッサージしないこと。そして注射部位を無理にこすらないこと。メイクは、針跡が落ち着けば当日から可能な方がほとんどです。

痛みについて。当院では必要に応じて表面麻酔クリームを使い、細い針を用いています。それでも「チクチクは何回かある」と感じる方が多いので、痛みが不安な方は遠慮なく申し出てください。痛みの感じ方は本当に人それぞれで、同じ量を打っても反応がまったく違います。

料金については、施術内容や範囲、使用量によって変わるため、正確な金額は料金ページをご確認ください。カウンセリングで肌の状態を拝見したうえで、何回必要か、どの順番で行うかを含めた見積りを必ずお出ししています。

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併用の順番についても触れておきます。私は同日に両方を行うことが多いのですが、注入層が違うため、先にプロファイロを規定の点に入れ、その後に皮内へマイクロボトックスを打つ流れにしています。順番を逆にすると薬剤が広がる方向が読みにくくなるためで、これは私なりのやり方です。

併用の効果はいつ出る?

効果が出るタイミングは、2つでかなり違います。マイクロボトックスは注射後3〜4日で変化を感じ始め、2週間前後で最も安定します。持続は個人差がありますが、おおむね3〜4か月が目安。一方プロファイロは、コラーゲン産生を促すという作用の性質上、ゆっくりです。1回目で「少し潤った気がする」、4週間後の2回目を終えてから1〜2か月で「肌のハリが変わった」と実感される方が多い印象です。

ここを知らずに受けると、「2週間経ったのにハリが出ない」と不安になってしまう。だから私は初回カウンセリングで、必ず効果の立ち上がりの時間差を説明します。先に毛穴とテカリが落ち着き、あとからハリが追いついてくる。この二段階だと理解しておくと、経過を見るのが楽になります。

維持のペースとしては、マイクロボトックスを3〜4か月ごと、プロファイロを初回2回のあと半年ごと、というスケジュールを組むことが多いです。すべての方に同じ間隔が合うわけではないので、1年目は経過を見ながら調整していきます。

20代後半の患者さんで、毛穴の開きだけが悩みという方がいました。この方にはプロファイロは提案せず、マイクロボトックスのみで経過を見ていただきました。結果として本人の満足度は高く、無駄な出費もなかった。併用がいつでも正解というわけではありません。併せるべき理由がある人だけ併せる。私はそう考えています。

よくある質問

Q. ファンデーションが毛穴に落ちるのが悩みですが、併用で変わりますか?

A. 毛穴の「開き」が皮脂の多さや肌のハリ不足から来ているタイプなら、変化を感じやすい組み合わせです。マイクロボトックスで皮脂とテカリを抑え、プロファイロで真皮の水分とハリを補います。ただし凹凸がニキビ瘢痕由来の場合は別の治療が適しています。

Q. マイクロボトックスを打つと顔が動かなくなりませんか?

A. 通常のボトックス注射より大幅に薄めた薬剤を皮膚の浅い層に打つため、表情が固まるような変化は起こりにくい方法です。とはいえ口元や下まぶたは量の調整が必要なので、当院では初回は控えめに入れ、2週間後に追加を検討しています。

Q. 同じ日に両方受けられますか?

A. 同日施術が可能です。注入する層が違うため干渉しにくく、来院回数も減らせます。当院ではプロファイロを先、マイクロボトックスを後の順で行っています。体調や肌の炎症がある場合は日を分けることもあります。

Q. 糸リフトと迷っています。どちらを先にすべきですか?

A. フェイスラインのぼやけが「下垂」ではなく「ハリの低下」によるものなら、注射系を先に試す価値があります。実際に皮膚が下がっているかどうかは診察で判断できますので、迷ったら先に状態を見せていただくのが近道です。

Q. 効果はどのくらい続きますか?

A. マイクロボトックスは3〜4か月、プロファイロは2回1クール後に半年前後が目安です。ただし生活習慣や肌質で差が出るため、1年目は経過を見ながら間隔を調整していきます。

まとめ

  • マイクロボトックスは薄めたボツリヌストキシンを皮膚の浅い層に多数点注射し、毛穴・テカリ・細かいヨレを整える方法
  • プロファイロは高濃度ヒアルロン酸で真皮の水分保持とコラーゲン産生を促し、肌のハリを底上げする注入剤
  • 作用する層とメカニズムが違うため、併用の相性は良く、同日施術も可能
  • おすすめなのは「毛穴とハリの両方が気になる」「大きく変えたくない」「ダウンタイムが取れない」方
  • はっきりした皮膚のたるみ、骨格由来の悩みには適応外。その場合は別の方法をご提案します
  • 効果の出方には時間差があり、マイクロボトックスは2週間、プロファイロは2回目以降にゆっくり実感される方が多い

効果には個人差があります。ご自身の肌がどちらのタイプなのかは、鏡だけでは判断が難しいものです。まずは一度、肌の状態を直接拝見させてください。

当院のご案内

リノクリニック東銀座は、東京都中央区銀座3丁目11-13 松本銀座ビル9階(東銀座駅から徒歩3分)にあります。院長は宮﨑 邦夫(日本外科学会認定 外科専門医、外科経験20年以上)です。当院では、マイクロボトックスやプロファイロなどの注入治療に加え、輪郭形成・小顔治療、婦人科形成、腋臭症の保険手術など、外科と美容の両面からご相談をお受けしています。肌質の悩みから手術まで一か所で相談できる点を強みにしています。

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参考文献

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監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2026.10.09

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