院長コラム

ワキガ手術の傷跡を小さく目立たない仕上がりにする方法を医師が解説

脇の臭いが気になる、制汗剤が効かない、人に臭いと言われたことがあるなど、ワキガの悩みを抱えている方は少なくありません。手術で根本的に改善したいと考えても、ワキガ手術の傷跡が大きく残るのではないか、目立たないようにできるのかと不安を感じる方が多くいらっしゃいます。実際に当院へご相談にいらっしゃる患者さまの中にも、傷跡が小さい術式を希望される方が非常に多い状況です。この記事では、ワキガ手術における傷跡の大きさや目立ちやすさを治療法ごとに比較しながら、傷跡を最小限にするための術式の選び方や術後のケア方法について詳しく解説します。手術を検討中の方が安心して一歩を踏み出せるよう、具体的な情報をお届けします。

この記事でわかること

  • ワキガ手術の種類ごとの傷跡の大きさと目立ちやすさの違い
  • 傷跡を小さく目立たないものにするための術式選びのポイント
  • 術後に傷跡をきれいに治すためのセルフケアと注意事項
  • リノクリニック東銀座で行っている傷跡に配慮したワキガ治療の特徴

ワキガ手術で傷跡が残る理由

ワキガの正式な疾患名は腋臭症といい、脇の下にあるアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌によって分解されることで独特の臭いが生じます。手術ではこのアポクリン汗腺を直接除去するため、皮膚を切開する必要があり、その切開部分が傷跡として残ります。

傷跡の大きさや目立ちやすさは、切開の長さや深さ、皮膚の剥離範囲、術後の縫合方法、そして患者さまの体質によって大きく異なります。アポクリン汗腺は脇毛が生えている範囲を中心に広がっており、この範囲をどのようにアプローチするかが術式ごとの傷跡の違いにつながります。

傷跡の大きさを左右する3つの要素

傷跡の仕上がりを左右する要素は主に3つあります。1つ目は切開線の長さです。切開が長いほど当然ながら傷跡も大きくなります。2つ目は皮膚への負担の程度です。広範囲に皮膚を剥離して反転させる術式では、皮膚に大きなダメージが加わるため、傷跡が目立ちやすくなる傾向があります。3つ目は縫合と術後管理の精度です。丁寧に縫合し、術後に適切な圧迫固定やケアを行うことで、傷跡を最小限に抑えることが期待できます。

また、ケロイド体質の方や傷の治りが遅い方は傷跡が目立ちやすくなる場合があります。当院での診療経験では、術前のカウンセリングで体質や既往歴を丁寧に確認し、傷跡のリスクを事前にご説明することが大切だと考えています。

傷跡が小さい術式の比較と特徴

ワキガ手術にはいくつかの術式があり、それぞれ傷跡の大きさや治療効果に違いがあります。ここでは代表的な術式を傷跡の観点から比較します。

剪除法(せんじょほう)

剪除法は日本形成外科学会でも標準的な治療として位置づけられている術式で、脇の下を3センチメートルから5センチメートル程度切開し、皮膚を裏返してアポクリン汗腺を医師が目で確認しながら1つずつ除去する方法です。汗腺の取り残しが少なく効果が高い反面、切開線がやや長くなるため傷跡が目立ちやすいという側面があります。ただし、切開線を脇のしわに沿わせることで、術後に傷跡が目立たないように工夫することが可能です。この術式は健康保険が適用される場合があり、費用の目安は3割負担で片側あたり約2万円から5万円程度です。確定金額はカウンセリングでご案内いたします。

小切開法(クワドラカット法など)

小切開法は切開線を1センチメートルから2センチメートル程度に抑え、その小さな切開口からシェーバーなどの器具を挿入してアポクリン汗腺を除去する方法です。傷跡が小さいことが最大の特徴であり、術後に脇を見せるファッションを楽しみたい方にも適しています。ただし、剪除法と比較すると医師が直接目視で汗腺を確認する範囲が限られるため、取り残しのリスクがやや高くなる可能性があります。費用の目安は自費診療で片側あたり約15万円から25万円程度が一般的です。

吸引法(皮下組織吸引法)

吸引法は数ミリ程度の小さな切開から細い管(カニューレ)を挿入し、アポクリン汗腺を吸引して除去する方法です。傷跡は非常に小さく、術後のダウンタイムも比較的短いことが利点です。しかし、汗腺の除去率が剪除法に比べて低くなりやすく、臭いの改善が不十分になる可能性もあります。そのため、軽度から中等度のワキガの方に向いている術式といえます。

当院の医師によると、傷跡の小ささと治療効果のバランスを考慮し、患者さまの症状の程度やご希望に合わせて最適な術式をご提案することが重要です。効果には個人差がありますので、カウンセリングでしっかりとご相談いただくことをおすすめします。

手術後に傷跡を目立たない状態にするケア

どの術式を選んだとしても、術後のケアによって傷跡の仕上がりは大きく変わります。ここでは傷跡を目立たないように整えるための具体的なケア方法をご紹介します。

STEP 1|術後の圧迫固定を守る

手術直後は脇の下にガーゼやタイオーバーと呼ばれる固定材を当て、しっかりと圧迫します。この固定は皮膚と皮下組織の密着を促し、血腫や漿液腫を予防するために欠かせません。固定期間は術式によって異なりますが、おおむね3日から7日間です。この期間中は腕を大きく動かすことを避け、安静に過ごしてください。

STEP 2|抜糸後のテーピング保護

抜糸は術後1週間から2週間程度で行います。抜糸後は傷跡にマイクロポアテープなどの医療用テープを貼り、傷が引っ張られるのを防ぎます。テープ保護は術後3か月から6か月程度続けることが望ましく、これにより傷跡が幅広くなるのを防ぎ、細い線状の目立たない傷跡に仕上がりやすくなります。

STEP 3|紫外線対策を徹底する

傷跡に紫外線が当たると色素沈着を起こしやすくなります。脇の下は普段衣服で隠れていますが、ノースリーブや水着を着る際には日焼け止めを塗るなどの紫外線対策を行ってください。特に術後6か月以内は傷跡の皮膚が敏感な状態にあるため注意が必要です。

STEP 4|傷跡が気になる場合の追加治療

術後半年以上経過しても傷跡の赤みや盛り上がりが気になる場合には、追加の治療を検討することもできます。ステロイドの局所注射により瘢痕の盛り上がりを軽減する方法や、レーザー治療による色素沈着の改善などが選択肢に挙げられます。当院では術後の経過観察の中で必要に応じてこうした対応をご提案しています。

当院での診療経験では、術後のケアをしっかり行った患者さまは、術後6か月から1年程度で傷跡がかなり目立たなくなるケースが多く見られます。ただし、傷跡の経過には個人差がありますので、定期的な受診で状態を確認することが大切です。

傷跡が目立たないワキガ手術の選び方

傷跡をできるだけ小さく目立たないものにしたいという希望は、多くの患者さまに共通する思いです。しかし、傷跡の小ささだけを優先して術式を選ぶと、臭いの改善効果が不十分になる可能性もあります。ここでは、後悔のない術式選びのポイントをお伝えします。

症状の程度で術式を判断する

ワキガの臭いが強く、汗ジミが広範囲に及ぶような中等度から重度の方には、汗腺の除去率が高い剪除法が適しています。一方、臭いが比較的軽度で「制汗剤だけでは少し心もとない」という程度の方には、傷跡が小さい吸引法や小切開法が選択肢になります。当院では、臭いの強さをガーゼテストなどで客観的に評価した上で術式をご提案しています。

保険適用と自費診療の違い

剪除法は厚生労働省の診療報酬規定に基づき、腋臭症と診断された場合に健康保険が適用されることがあります。保険適用の場合は費用負担が大幅に軽減されるため、経済的な観点からも検討に値します。一方、小切開法や吸引法は多くの場合自費診療となりますが、傷跡の小ささやダウンタイムの短さといったメリットがあります。どちらを重視するかは患者さまのライフスタイルやご予算に合わせて判断することが大切です。

医師の経験と技術の重要性

同じ術式であっても、医師の技術力と経験によって傷跡の仕上がりは大きく異なります。特に剪除法では、切開線をしわに沿わせる位置の見極め、皮膚の剥離と汗腺除去の丁寧さ、縫合の精度が傷跡の美しさに直結します。リノクリニック東銀座では、外科専門医の資格を持つ医師が手術を担当し、傷跡への配慮と治療効果の両立を重視した施術を行っています。

ワキガ手術の傷跡に関する経過の目安

術後の傷跡は時間の経過とともに変化していきます。多くの患者さまが気にされる術後の経過を時期別にまとめます。

術後1週間は切開部分に赤みや腫れがあり、圧迫固定を行っている期間です。痛みは鎮痛薬でコントロールできる程度で、日常生活は制限がありますが、デスクワークであれば術後3日から5日程度で復帰される方もいらっしゃいます。

術後2週間から1か月にかけては抜糸が完了し、傷跡はまだ赤みを帯びていますが、徐々に安定していきます。この時期からテーピングによる保護を開始します。脇を大きく上げる動作は控えめにしてください。

術後3か月から6か月になると赤みが徐々に薄くなり、傷跡の色が周囲の肌に近づいてきます。この時期はまだ傷跡がやや目立つことがありますが、日を追うごとに改善していきます。

術後1年を過ぎると傷跡は白っぽい細い線となり、かなり目立たない状態になることが多いです。しわの中に紛れるような仕上がりになれば、日常生活でほとんど気づかれることはありません。

ただし、ケロイド体質の方や傷の治りに時間がかかる体質の方は、傷跡の成熟に1年以上かかる場合もあります。効果には個人差がありますので、気になる点があれば遠慮なくご相談ください。

傷跡が小さいワキガ手術のまとめ

ここまでの内容で、ワキガ手術と傷跡の関係について詳しくお伝えしてきました。術後の傷跡を不安に感じて手術をためらっている方も、適切な術式選びとケアによって傷跡を最小限に抑えられる可能性があることをご理解いただけたかと思います。

よくある質問

Q. ワキガ手術の傷跡はどのくらいの大きさになりますか。

A. 術式によって異なります。剪除法では3センチメートルから5センチメートル程度、小切開法では1センチメートルから2センチメートル程度、吸引法では数ミリ程度の切開となります。いずれも脇のしわに沿って切開するため、時間の経過とともに目立たなくなることが期待できます。効果には個人差があります。

Q. 脇の臭いが強く汗ジミもひどいのですが傷跡を小さくできますか。

A. 臭いが強い方には汗腺の除去率が高い剪除法が適していますが、切開線をしわに沿わせる工夫や丁寧な縫合によって傷跡を目立たない仕上がりにすることが可能です。カウンセリングで症状を評価した上で、傷跡にも配慮した最適な治療計画をご提案いたします。

Q. 手術後に傷跡が目立ってしまった場合に改善する方法はありますか。

A. 術後半年以上経過しても傷跡の赤みや盛り上がりが気になる場合は、ステロイドの局所注射やレーザー治療などの追加治療で改善を図れる場合があります。まずは医師に現在の傷跡の状態を診せていただき、適切な対処法をご相談ください。

まとめ

  • ワキガ手術の傷跡の大きさは術式によって異なり、剪除法は3センチメートルから5センチメートル、小切開法は1センチメートルから2センチメートル、吸引法は数ミリ程度が目安です
  • 傷跡を小さく目立たないものにするには、症状の程度に合った術式を選ぶことが重要です
  • 術後の圧迫固定、テーピング保護、紫外線対策を継続することで傷跡の仕上がりが大きく改善します
  • 傷跡は術後6か月から1年程度で目立たなくなることが多いですが、経過には個人差があります
  • 効果には個人差がありますので、まずはカウンセリングで症状や体質を確認し、ご自身に合った治療法を医師と一緒に検討しましょう

脇の臭いや汗ジミの悩みから解放されたい、でも傷跡が気になって手術に踏み切れないという方は、ぜひ一度ご相談ください。丁寧なカウンセリングで不安を解消し、最適な治療法をご一緒に見つけましょう。

当院のご案内

リノクリニック東銀座では、外科専門医の資格を持つ医師が腋臭症の診察から手術、術後のフォローアップまで一貫して対応しております。傷跡に配慮した丁寧な手術を心がけ、患者さまお一人おひとりに合った治療法をご提案いたします。初診のご予約はこちら(WEB予約24時間受付)。

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2026.06.15

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