院長コラム
「最近、鏡を見るたびに老けたな」と感じることが増えていませんか。
ほうれい線が深くなった、フェイスラインがぼやける、肌のハリが以前ほど戻らない。40代・50代になると、こうした年齢による変化を感じ始める方が増えてきます。
スキンケアだけでは物足りなくなり、美容医療を調べる中で「再生医療」という言葉を目にした方もいるのではないでしょうか。
再生医療と聞くと、「自分の細胞で若返る治療」「一度受ければ長く若返る治療」というイメージを持たれることがあります。
ただし、実際には治療によって仕組みも期待できる変化も異なりますし、すべての老化サインを再生医療だけで改善できるわけではありません。
この記事では、東銀座のリノクリニックで扱っているPRP療法や皮膚線維芽細胞培養・細胞移植を中心に、再生医療の考え方、40代・50代で治療を検討するときのポイント、費用やほかの美容医療との使い分けについて解説します。
目次
この記事でわかること
- 美容領域で行われている再生医療の基本的な仕組み
- PRP療法と皮膚線維芽細胞培養・細胞移植の違い
- 40代・50代で治療を考えるときのポイント
- 再生医療とヒアルロン酸・ボトックス・リフト治療などの違い
- 費用や通院、ダウンタイムを確認するときの考え方
再生医療によるアンチエイジングとは
再生医療は、細胞や血液由来の成分などを利用して、組織の修復や機能改善を目指す医療です。
美容領域では、肌のハリや弾力、細かいシワ、肌質などに対して応用されています。
ただし、「再生医療」という言葉の中には、仕組みがまったく異なる治療が含まれます。
リノクリニック東銀座では、再生医療としてPRP療法と皮膚線維芽細胞培養・細胞移植を行っています。また、幹細胞培養上清液も取り扱っています。
PRP療法
PRP療法は、ご自身の血液から血小板を多く含む血漿を分離し、治療したい部分へ注入する方法です。
血小板には、組織修復に関係するさまざまな成長因子が含まれています。
美容領域では、こうした作用を利用して、肌のハリや弾力、細かいシワ、皮膚の質感などの改善を目指します。
近年の研究では、PRPによって皮膚の厚みや弾力などが改善した報告があります。
一方で、研究によってPRPの作り方、濃度、注入方法、治療回数などが異なっており、「何回行えば必ずどの程度改善する」と一律に言える段階ではありません。
また、ヒアルロン酸のように注入直後から決まったボリュームを作る治療ではありません。
皮膚線維芽細胞培養・細胞移植
皮膚線維芽細胞培養・細胞移植では、ご自身の皮膚から採取した線維芽細胞を培養し、肌へ移植します。
線維芽細胞は、コラーゲンやエラスチンなど皮膚の構造を支える成分の産生に関わる細胞です。
当院では耳の後ろなどから皮膚を採取し、細胞を培養したうえで、治療部位へ移植します。
PRPのように採血後その日のうちに注入する治療とは異なり、細胞を採取して培養する工程が必要になるため、治療開始までに時間がかかります。
また、線維芽細胞を移植すれば「肌が何歳分若返る」「老化が止まる」と保証できる治療ではありません。
どの程度の変化を期待できるかについては、治療部位や肌の状態を確認しながら説明する必要があります。
幹細胞培養上清液について
当院では、幹細胞培養上清液も取り扱っています。
培養上清液は、幹細胞そのものを注入する治療ではありません。
幹細胞を培養する過程で得られる液体成分を使用する治療であり、細胞治療とは分けて考える必要があります。
「幹細胞治療」「エクソソーム」「培養上清液」は同じものではないため、どの製剤を、どのような目的で使用するのかを確認することが大切です。
40代・50代で肌の変化を感じやすくなる理由

40代・50代になると、シワ、乾燥、ハリの低下、フェイスラインの変化などを実感する方が増えてきます。
これは単に「肌の表面が乾燥している」だけではありません。
加齢、紫外線、皮下脂肪や骨格の変化、筋肉、生活習慣など、さまざまな要素が重なって顔の印象は変化していきます。
特に女性では、更年期前後のエストロゲン低下が皮膚にも影響することが知られています。
エストロゲンの低下に伴い、コラーゲン産生、皮膚の弾力、水分保持などが変化し、乾燥や細かいシワ、皮膚の薄さなどを感じやすくなる場合があります。
そのため、40代・50代は「美容医療を始めるべき年齢」というより、「自分の老化の原因がどこにあるのかを一度整理しやすい時期」だと私は考えています。
肌質が主体なのか、脂肪や骨格のボリューム変化なのか、皮膚のたるみなのか。
原因によって、PRPや皮膚線維芽細胞移植が合う場合もあれば、ヒアルロン酸や機器治療、外科治療を選んだほうがよい場合もあります。
年齢だけで再生医療の適応を決めることはありません。
再生医療は40代・50代なら始めたほうがいい?
「40代になったら再生医療を始めたほうがいいですか?」と聞かれることがあります。
私の答えは、年齢ではなく「何が気になっているのか」で考えるべき、です。
たとえば、細かいシワや皮膚のハリ・弾力の低下が主な悩みであれば、PRPや皮膚線維芽細胞を検討することがあります。
一方で、ほうれい線の原因が頬のボリューム低下であれば、ヒアルロン酸や脂肪注入のほうが目的に合う場合があります。
フェイスラインのたるみが強ければ、注入だけで十分に変えることは難しく、HIFUや糸リフト、手術など別の選択肢を考えることもあります。
「再生医療だから全部まとめて若返る」という考え方ではなく、それぞれの治療がどの部分を得意としているかを理解することが重要です。
PRP療法の流れ
ここでは、当院でも行っているPRP療法を例に、一般的な治療の流れをご紹介します。
STEP 1|診察・カウンセリング
まず、どこが気になっているのかを確認します。
ほうれい線なのか、目元の細かいシワなのか、肌全体のハリ低下なのかによって、同じPRPでも注入方法や治療範囲を検討します。
また、持病や使用している薬剤など、治療の安全性に関係する情報も確認します。
STEP 2|採血・PRPの作製
ご自身の血液を採取し、遠心分離などの処理を行ってPRPを作製します。
採血量やPRPの作製方法は、使用するシステムや治療内容によって異なります。
STEP 3|治療部位へ注入
作製したPRPを治療部位へ注入します。
痛みについては、必要に応じて麻酔を使用します。
STEP 4|経過を見る
PRPは、ヒアルロン酸のように注入直後の形を完成形として評価する治療ではありません。
時間の経過とともに肌の状態を確認していきます。
施術後には、赤み、腫れ、痛み、内出血などが起こる可能性があります。
ダウンタイムの程度や期間は、注入部位や量、体質によって異なります。
再生医療の回数は何回必要?
ここも誤解されやすいところです。
PRPは「3〜5回で1クール」と一律に決まっている治療ではありません。
研究でも、1回のみ行うものから複数回施術するものまで治療プロトコルにはばらつきがあります。
そのため当院では、治療内容、部位、肌の状態、希望する変化などを確認したうえで施術計画を決めます。
皮膚線維芽細胞培養・細胞移植についても、細胞の採取・培養・移植というPRPとは異なる工程が必要です。
「何回通えば完成」という考え方よりも、それぞれの治療の工程と経過を理解したうえでスケジュールを組むことが重要です。
再生医療の費用

再生医療の費用は、選ぶ治療によって大きく異なります。
PRP療法では採血・PRP作製・注入を行いますが、皮膚線維芽細胞培養・細胞移植では、皮膚採取、細胞培養、細胞の保管、移植など複数の工程があります。
そのため、同じ「再生医療」でも必要な費用は大きく異なります。
当院の現在の料金については、料金表をご確認ください。
40代・50代のアンチエイジング治療はどう選ぶ?
40代・50代の美容医療では、再生医療だけに絞って考える必要はありません。
大切なのは、「何を変えたいのか」です。
肌のハリや弾力を改善したい
PRPや皮膚線維芽細胞培養・細胞移植などを検討することがあります。
レーザーや高周波などの機器治療を組み合わせる場合もあります。
ボリュームロスを改善したい
頬やこめかみなどのボリュームが減っている場合には、ヒアルロン酸や脂肪注入などのほうが直接的に形を補えることがあります。
表情ジワを改善したい
眉間や額、目尻など筋肉の動きによってできるシワには、ボツリヌストキシンが適する場合があります。
たるみを改善したい
フェイスラインのたるみが主な原因であれば、HIFUや高周波、糸リフト、外科的なリフトなどを検討します。
私は「再生医療を最初にやって、その後に必ずヒアルロン酸や糸リフト」という順序で考えているわけではありません。
診察で原因を確認し、必要な治療から組み立てることが大切です。
再生医療を検討するときの判断ポイント
再生医療を始めるタイミングは、年齢だけで決めるものではありません。
たとえば、次のような場合には一度相談してみてもよいと思います。
- 以前より肌のハリや弾力の低下が気になる
- 細かいシワや肌質を改善したい
- ヒアルロン酸で形を大きく変えるより、肌そのものへの治療を検討したい
- 自分の血液や細胞を使用する治療に関心がある
- ほかの美容医療との違いを知ったうえで治療を選びたい
逆に、フェイスラインの大きなたるみや骨格、脂肪量の変化などが主な原因の場合には、再生医療だけでは十分な改善が難しいこともあります。
「再生医療を受けるかどうか」よりも、「今の悩みの原因に再生医療が合っているか」を確認することが重要です。
再生医療を受けるクリニックで確認したいこと
PRPや細胞を用いる再生医療を受ける場合には、費用や症例写真だけではなく、治療の提供体制も確認してください。
日本では、対象となる再生医療等を行う場合、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づいて、認定再生医療等委員会の審査を受け、再生医療等提供計画を提出する必要があります。
厚生労働省のサイトでは、届出された再生医療等提供計画を確認できます。
なお、提供計画が提出されていること自体は、その治療の効果を国が保証しているという意味ではありません。
治療内容、期待できる効果、限界、リスク、費用を十分に説明してもらったうえで判断することが大切です。
よくある質問
Q. 再生医療のアンチエイジングは40代から始めるのがいいですか?
A. 40代だから始めるべき、50代になる前に受けるべき、という決まりはありません。
40代・50代は、加齢や更年期前後の変化によって肌の乾燥、ハリや弾力の低下などを感じやすくなる時期ではあります。
ただし、再生医療が合うかどうかは年齢ではなく、肌の状態と改善したい内容によって判断します。
Q. PRP療法はどのくらいで効果が出ますか?
A. PRPはヒアルロン酸のように、その場で決まった形を作る治療ではありません。
肌の質感や弾力などの変化を時間をかけて評価していきます。
効果を感じ始める時期や変化の程度には個人差があり、PRPの作製方法や注入方法によっても異なります。
Q. ほうれい線にはPRPとヒアルロン酸のどちらがいいですか?
A. ほうれい線の原因によります。
頬のボリューム低下や骨格による溝を直接持ち上げたい場合には、ヒアルロン酸などのボリューム補充が適することがあります。
一方、皮膚のハリや弾力低下を含めて治療したい場合には、PRPなどを検討することがあります。
同じほうれい線でも原因が違うため、診察で確認して治療方法を決めます。
Q. PRPは自分の血液なので安全ですか?
A. 自家血液を使用するため、他人由来の血液を使用する治療とは異なりますが、「自分の血液だからリスクがない」という意味ではありません。
採血や注入に伴う痛み、腫れ、内出血、感染などの可能性があります。
治療前にリスクについても確認してください。
まとめ|40代・50代の再生医療は年齢ではなく悩みで選ぶ
- 美容領域の再生医療には、PRPや皮膚線維芽細胞培養・細胞移植など異なる治療がある
- 40代・50代では、更年期前後の変化を含め、肌のハリ・弾力・乾燥などを感じやすくなる
- ただし、「40代・50代が再生医療のベストな始め時」と一律には言えない
- PRPは肌質や弾力などの改善を目的に用いられるが、効果の大きさや治療回数には個人差がある
- 皮膚線維芽細胞培養・細胞移植は、細胞採取・培養・移植という工程を伴う治療
- ヒアルロン酸、ボトックス、機器治療、リフト治療などとは目的が異なるため、悩みの原因に合わせて選ぶことが重要
- 再生医療を受ける場合は、提供体制や再生医療等提供計画についても確認する
「40代だから再生医療を始めたほうがいい」ということではありません。
今感じている変化が、肌質なのか、ボリュームなのか、たるみなのか。
まずそこを整理することが、治療選びでは一番重要です。
リノクリニック東銀座では、再生医療だけに限定せず、ほかの美容医療も含めて状態に合った治療方法をご提案しています。
当院のご案内
リノクリニック東銀座では、PRP療法、皮膚線維芽細胞培養・細胞移植、幹細胞培養上清液などを取り扱っています。
「PRPとヒアルロン酸のどちらが合うのか」「再生医療を受けるほどの状態なのか」「40代・50代になって急に肌の変化が気になってきた」といった段階でもご相談ください。
参考文献
- 厚生労働省.再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号).e-Gov法令検索/再生医療等提供機関の情報について.厚生労働省
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監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2026.09.14



