院長コラム

両顎手術のダウンタイム|腫れのピークと経過を医師が解説

「両顎手術を受けたいけれど、ダウンタイム中の腫れがどれくらい続くのか不安」「仕事や学校をどのくらい休む必要があるのだろう」とお悩みではありませんか。両顎手術は上顎と下顎の骨を切離して正しい位置に移動させる大がかりな手術であり、術後の腫れや痛みの経過を事前に把握しておくことはとても大切です。ダウンタイムの見通しが立たないまま手術を受けると、回復期間中に強い不安を感じてしまうこともあります。この記事では、リノクリニック東銀座の医師の知見をもとに、両顎手術後の腫れのピークや回復の目安、ダウンタイムを少しでも快適に過ごすためのポイントを時系列で詳しく解説します。術後の生活をイメージしやすくなる情報をまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
・両顎手術後の腫れがピークを迎える時期と引いていく経過
・ダウンタイム中の痛み、しびれ、食事などの具体的な症状と対処法
・仕事復帰や外出ができるようになるまでの目安期間
・腫れを早く引かせるために自宅でできるセルフケア

両顎手術の基本と腫れの仕組み

両顎手術とは、上顎骨をルフォーI型骨切り術で、下顎骨をSSRO(下顎枝矢状分割術)やIVRO(下顎枝垂直骨切り術)で切離し、それぞれを計画した位置に移動させてチタンプレートなどで固定する手術です。日本形成外科学会や日本顎変形症学会でも広く認められた術式であり、顔貌の審美的改善と咬合の機能的改善の両方を目的として行われます。

手術では骨だけでなく、周囲の軟部組織や血管にも一定の負担がかかるため、術後に強い腫れが生じるのは身体の自然な反応です。手術による組織の損傷に対して、身体は炎症反応を起こして修復プロセスを開始します。この過程で血管透過性が亢進し、組織間に水分やタンパク質が漏れ出すことで浮腫、いわゆる腫れが生じます。

当院の医師によると、両顎手術は骨切り範囲が広いため、エラ削りや頬骨骨切りなどの単独の輪郭手術と比較しても腫れの程度が大きくなる傾向があります。ただし、腫れの出方やピーク、引き方は術式の細かな違いや個人の体質によって差があり、効果には個人差があります。そのため、一般的な経過を知った上で、担当医と自分のケースについて具体的に確認しておくことが重要です。

ダウンタイム中の腫れの経過

両顎手術後の腫れは、時間の経過とともに段階的に変化していきます。ここでは当院での診療経験をもとに、術後の典型的な経過を時系列でご紹介します。

術後1日目から3日目

手術直後から腫れは急速に進行します。頬から顎にかけて大きく膨らみ、術後2日目から3日目にかけて腫れのピークを迎えることが一般的です。顔全体がパンパンに張った状態になり、口が開きにくくなることもあります。内出血が頬や首に広がる場合もありますが、これも正常な経過です。痛みについては処方された鎮痛薬で管理できるレベルであることがほとんどですが、つらいと感じた場合は我慢せず担当医に相談してください。

術後1週間から2週間

ピークを過ぎた腫れは術後1週間ほどで約5割から6割程度まで引いてくることが多いです。この時期になると口も少しずつ開くようになり、ストローを使わなくても流動食が摂れるようになる方もいます。ただし、まだ明らかに顔が腫れている状態であるため、人前に出ることに抵抗を感じる方がほとんどです。内出血は黄色く変色しながら徐々に吸収されていきます。

術後1か月から3か月

術後1か月の時点では腫れの約7割から8割が引き、マスクをすればある程度外出が可能になる方が増えてきます。ただし、むくみのような軽度の腫れが残っており、朝起きたときに顔がむくみやすい状態が続くことがあります。3か月ほどかけて残りの腫れが徐々に引いていき、最終的な仕上がりに近づいていきます。完全な完成形を評価できるのは術後6か月から1年程度とされています。

腫れ以外のダウンタイム症状

両顎手術のダウンタイムでは、腫れ以外にもいくつかの症状が現れます。事前に知っておくことで、術後に慌てずに対処できます。

痛みとしびれの経過

術後の痛みは鎮痛薬によるコントロールが基本です。骨切り手術の痛みは術後3日間が最も強く、その後は徐々に軽減していきます。術後1週間を過ぎると市販の鎮痛薬でも対応できるレベルまで落ち着く方が多いです。一方、下歯槽神経やオトガイ神経の走行付近を操作するため、下唇や顎先にしびれが出ることがあります。このしびれは数か月から半年程度で改善していくケースが大半ですが、完全に消失するまでに1年近くかかる場合もあり、回復の速度には個人差があります。

食事と口腔ケアの注意点

術後しばらくは顎間固定やゴム牽引が行われる場合があり、口の開きが制限されます。最初の1週間から2週間はゼリー飲料やスープなどの流動食が中心になります。術後1か月頃からやわらかい食事に移行し、2か月から3か月かけて通常の食事に戻していく流れが一般的です。口腔内は切開創があるため、術後すぐは含嗽薬によるうがいを丁寧に行い、感染予防に努めます。担当医から指示された口腔ケアのスケジュールを守ることが早期回復への近道です。

仕事復帰と外出の目安

デスクワーク中心のお仕事であれば、術後2週間から3週間での復帰を目標にされる方が多いです。ただし、接客業など人と対面するお仕事の場合は、腫れが目立たなくなる術後1か月以降が安心です。当院での診療経験では、術前に職場への説明や休暇の調整をしっかり行っておくことで、ダウンタイム中のストレスが大幅に軽減されると実感しています。重い荷物を持つ作業や激しい運動は、術後最低1か月は避けるようにしてください。

腫れを早く引かせる過ごし方

ダウンタイム中の過ごし方次第で、腫れの引き具合に差が出ることがあります。以下のポイントを意識することで、より快適な回復期間を過ごしやすくなります。

STEP 1|就寝時は頭を高くして寝る

枕を2つ重ねるなどして上半身を少し高くした姿勢で就寝すると、顔面への血液の集中を防ぎ、むくみや腫れの軽減につながります。術後1週間から2週間は仰向けで頭を高くした姿勢を保つことが望ましいです。

STEP 2|術後48時間は適切にアイシングする

術後48時間以内は冷却が腫れの軽減に有効とされています。保冷剤をタオルで包み、頬の外側から15分程度冷やし、15分休むというサイクルを繰り返します。直接肌に氷を当てると凍傷のリスクがあるため避けてください。

STEP 3|処方薬を指示通りに服用する

抗菌薬や消炎鎮痛薬、必要に応じてステロイドなどが処方されます。自己判断で服薬を中止すると感染リスクが高まったり、炎症が遷延したりする可能性があります。処方されたスケジュール通りに服用してください。

STEP 4|塩分と飲酒を控える

塩分の多い食事やアルコールは体内の水分貯留を促し、むくみを悪化させる原因になります。特に術後1か月間は塩分を控えめにし、飲酒は担当医の許可が出るまで避けることをおすすめします。

リノクリニック東銀座では、患者さまお一人おひとりの術後経過に合わせて、ダウンタイム中の過ごし方について個別にアドバイスを行っています。気になる症状があれば遠慮なくご相談ください。

両顎手術の費用とダウンタイム

両顎手術の費用は、術式の組み合わせや入院日数によって大きく変わります。顎変形症と診断され、矯正歯科との連携のもとで行われる場合は健康保険が適用されることがあり、自己負担額の目安は3割負担で30万円から50万円程度です。美容目的の自費診療の場合は150万円から300万円程度が参考価格の目安となりますが、確定金額はカウンセリングでご案内しております。

費用にはダウンタイムにかかる間接的なコストも考慮に入れる必要があります。入院期間は術式にもよりますが5日から10日程度が一般的です。退院後も自宅安静が必要な期間を含めると、トータルで2週間から3週間の休暇を確保しておくと安心です。厚生労働省の高額療養費制度を利用できるケースもあるため、保険適用の場合は事前に限度額適用認定証の手続きをしておくことをおすすめします。

当院では、術前カウンセリングの際に費用の詳細な見積もりとダウンタイムのスケジュールを丁寧にご説明しています。術後のフォローアップ体制も含め、安心して手術に臨んでいただける環境を整えています。なお、手術の効果には個人差があります。

よくある質問

Q. 両顎手術後の腫れはいつまで続きますか。

A. 腫れのピークは術後2日目から3日目で、約1週間で5割から6割程度引きます。1か月後にはかなり落ち着きますが、完全に腫れが引いて最終的な仕上がりになるまでは6か月から1年ほどかかることがあります。回復のスピードには個人差がありますので、焦らず経過を見守ることが大切です。

Q. ダウンタイム中にマスクで腫れを隠すことはできますか。

A. 術後1週間ほどは腫れが広範囲に及ぶためマスクだけでは完全に隠しきれないことが多いです。術後2週間を過ぎた頃からマスクでカバーしやすくなり、1か月後にはマスク着用で外出される方がほとんどです。ただし術式や体質によって腫れの引き方には差があります。

Q. 両顎手術のダウンタイムを短くする方法はありますか。

A. アイシングの徹底、頭を高くした就寝姿勢、塩分や飲酒の制限、処方薬の確実な服用が基本的な対策です。また、術前の体調管理として十分な栄養摂取や禁煙を心がけることも回復を促進する要因とされています。当院では術後のセルフケア指導も丁寧に行っています。

まとめ

両顎手術のダウンタイムと腫れについて、この記事の要点を整理します。

  • 腫れのピークは術後2日目から3日目。1週間で約半分、1か月で7割から8割が引く
  • 最終的な仕上がりの評価は術後6か月から1年が目安
  • 痛みは鎮痛薬で管理可能。下唇や顎先のしびれは数か月から半年で徐々に改善
  • 流動食から開始し、2か月から3か月かけて通常食へ移行
  • デスクワークなら術後2週間から3週間、接客業なら1か月以降が仕事復帰の目安
  • アイシング、頭部挙上、塩分制限、禁酒が腫れの軽減に有効

両顎手術はダウンタイムの長い手術ではありますが、事前に正しい知識を持ち、適切なセルフケアを行うことで回復期間を快適に過ごすことが可能です。まずは医師によるカウンセリングで、ご自身のケースに合った具体的なスケジュールを確認されることをおすすめします。

当院のご案内

リノクリニック東銀座は、医師が輪郭整形を含む顔面骨手術のカウンセリングから術後フォローまで一貫して担当いたします。両顎手術のダウンタイムや腫れについてのご不安も、丁寧にお答えいたします。初診のご予約はこちら(WEB予約24時間受付)。

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2026.04.28

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