院長コラム
「婦人科形成とは、そもそも何をする治療なんですか?」
初診の方からよく聞かれる質問です。
下着に擦れて痛い。自転車に乗ると当たって不快。左右差や大きさが気になる。温泉や下着選びのときに人の目が気になる。
こうしたデリケートゾーンの悩みは、人に相談しづらいまま何年も抱えている方も少なくありません。
婦人科形成は、外陰部の形や大きさ、左右差などを整えることで、見た目の悩みだけでなく、擦れや圧迫による不快感などの改善を目指す治療です。
この記事では、婦人科形成に含まれる代表的な手術、小陰唇縮小術の考え方、一般婦人科との違い、治療を検討する際に知っておきたいことまで、実際に診療を行っている外科医の立場から解説します。
目次
この記事でわかること
- 婦人科形成とはどのような治療なのか
- 小陰唇縮小術、副皮切除、陰核包皮切除などの違い
- 一般婦人科と婦人科形成の役割の違い
- 小陰唇の大きさや左右差はどこまで正常なのか
- 婦人科形成を検討するときの費用やダウンタイム
婦人科形成とは?外陰部の形や不快感を整える治療
婦人科形成とは、外陰部の形や大きさ、左右のバランスなどを整える外科的治療の総称です。
代表的なものには、小陰唇縮小術、副皮切除、陰核包皮切除、大陰唇の形成などがあります。
美容目的で受ける方もいれば、下着との擦れ、自転車や運動時の圧迫感、月経時の不快感など、日常生活の困りごとをきっかけに相談される方もいます。
まず知っておいていただきたいのは、外陰部の形には非常に大きな個人差があるということです。
小陰唇が大陰唇より外側に出ている、左右の大きさが違う、色が濃いといったことだけで異常というわけではありません。
海外の婦人科領域のガイドラインでも、外陰部の大きさ、形、色には幅広い正常範囲があることが示されています。
そのため私は、単純に「大きいから切る」という考え方ではなく、ご本人が何に困っているのか、どのような仕上がりを希望しているのかを確認して治療方針を決めています。
婦人科形成に含まれる代表的な施術

婦人科形成にはいくつかの治療がありますが、相談が多いのが小陰唇縮小術です。
小陰唇だけを整える場合もあれば、副皮や陰核包皮とのバランスを見ながら複数の処置を組み合わせる場合もあります。
小陰唇縮小術
小陰唇縮小術は、大きさや左右差が気になる小陰唇の一部を切除し、形を整える手術です。
下着に挟まりやすい、自転車に乗ると圧迫される、月経時に擦れて不快といった症状がある方にも検討されます。
代表的な術式には、小陰唇の縁に沿って余分な部分を切除するトリミング法や、組織をくさび状に切除して縫合するウェッジ法などがあります。
どちらか一方がすべての方に優れているわけではありません。
小陰唇の厚み、形、左右差、色調、残したい辺縁の形などによって術式を選びます。
私は診察時に、どこを切除するとどのような形になるのかを確認しながらデザインを決めています。
副皮切除術
副皮は、小陰唇の上方にみられる皮膚のひだです。
小陰唇を小さくしたあとに副皮だけが目立つ場合があるため、形やボリュームによっては小陰唇縮小術と同時に副皮切除を検討します。
ただし、すべての方に副皮切除が必要なわけではありません。
小陰唇とのバランスを見ながら、必要な範囲だけ処置することが重要です。
陰核包皮切除
陰核包皮は、クリトリスを覆う皮膚です。
包皮の余りや左右差が目立つ場合には、全体のバランスを見ながら一部を整えることがあります。
この部分は感覚に関係する重要な部位に近いため、切除範囲やデザインには慎重な判断が必要です。
大陰唇の形成
大陰唇については、皮膚のたるみやボリュームの減少が気になる方もいます。
状態によっては皮膚を切除して形を整えたり、ボリューム不足に対して脂肪注入などを検討したりします。
実際にどの施術が必要かは、写真だけでは判断しにくいため、診察時に全体のバランスを確認します。
一般婦人科と婦人科形成は何が違う?
「これは婦人科に相談するのか、美容クリニックに相談するのか分からない」という方も多いと思います。
一般婦人科では、感染症、炎症、おりものの異常、月経異常、バルトリン腺の病気など、婦人科疾患の診断や治療を行います。
一方、婦人科形成は、病気ではないものの、外陰部の形や大きさ、左右差、擦れなどについて改善を希望する場合に行う治療です。
そのため、小陰唇縮小術などの婦人科形成は基本的に自由診療となります。
ただし、痛みやかゆみ、においなどがある場合、その原因が必ずしも形によるものとは限りません。
カンジダ、細菌性膣症、皮膚炎などが原因で症状が出ている場合には、まずその治療が必要です。
私は診察時に、手術で改善を期待できる悩みなのか、先に一般婦人科や皮膚科での治療が必要なのかを分けて考えるようにしています。
婦人科形成で相談が多い悩み

婦人科形成というと見た目だけの治療と思われることがありますが、実際の診察では日常生活での不快感について相談される方もいます。
- 下着やレギンスに挟まり、擦れて痛い
- 自転車やスポーツで圧迫される
- 月経時にナプキンと擦れて不快感がある
- 左右差や大きさが気になる
- 水着や下着を着たときのラインが気になる
- 排尿後に拭き取りづらさを感じる
- ひだの間の蒸れや不快感が気になる
こうした悩みが小陰唇の形や大きさと関係している場合には、形を整えることで症状の軽減が期待できることがあります。
ただし、「手術すれば必ず痛みやムレがなくなる」とは言えません。
症状の原因がどこにあるのかを診察したうえで、手術によって改善が期待できるかを判断する必要があります。
小陰唇の大きさや左右差はどこまで正常?
ここは特に誤解が多い部分です。
外陰部には非常に大きな個人差があります。
小陰唇が大陰唇から出ている、左右差がある、色が濃いというだけで病気ではありません。
実際、外陰部の形を計測した研究でも小陰唇の大きさには幅広いばらつきがあり、「何cm以上なら異常」という医学的な基準は確立されていません。
婦人科領域でも、外陰部の大きさ、形、色、左右差には幅広い正常範囲があることが示されています。
そのため私は、数字だけを基準に手術を勧めることはありません。
「本人が何に困っているか」が重要です。
たとえば、見た目だけが気になる場合でも、ご本人が長く悩んでいて治療を希望しているのであれば相談する理由になります。
一方で、パートナーから指摘されたことだけが理由で、ご本人自身は特に困っていない場合には、すぐに手術を決めず、一度考えていただくこともあります。
黒ずみは小陰唇縮小術で改善する?
小陰唇の縁はもともと色素が濃いことがあります。
トリミング法で色の濃い辺縁部分を切除した場合、結果として以前より明るく見えることはあります。
ただし、小陰唇縮小術は色素を除去するための治療ではありません。
そのため、「黒ずみを完全になくしたい」という目的だけで手術を受けると、期待した結果とのずれが生じる可能性があります。
診察では、形を整えることでどこまで変化が期待できるのかも含めて説明します。
婦人科形成の費用
婦人科形成は基本的に自由診療のため、費用は手術内容によって異なります。
また、小陰唇縮小術のみを行う場合と、副皮切除や陰核包皮切除などを組み合わせる場合では費用も変わります。
麻酔方法などによって追加費用が必要になることもあります。
一般的な相場だけでクリニックを選ぶよりも、診察料、麻酔代、薬代、術後診察など、どこまで料金に含まれているのかを確認しておくことが大切です。
当院での具体的な料金については、料金表をご確認ください。
婦人科形成のダウンタイム
小陰唇縮小術のあとには、腫れ、痛み、内出血などがみられることがあります。
特に手術直後は腫れが出やすく、その後、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。
腫れ方や痛みの程度、回復までの期間には個人差があります。
デスクワークなど身体への負担が少ない仕事では比較的早く復帰できる方もいますが、長時間の歩行、立ち仕事、自転車、運動などは創部への負担を考えて調整が必要です。
性交渉、激しい運動、プール、入浴などの再開時期についても、傷の状態を確認しながら判断します。
インターネットでは「翌日から普通に生活できる」と書かれていることもありますが、手術範囲や腫れ方は人によって異なります。
仕事や予定がある方は、カウンセリング時にスケジュールを伝えていただくことをおすすめします。
痛みについて
術後はヒリヒリした痛みや腫れによる違和感が出ることがあります。
鎮痛薬を使用しながら経過をみますが、痛みの程度には個人差があります。
排尿時に創部へ尿が触れるとしみることもあります。
術後の洗浄方法や過ごし方については、手術後に具体的に説明します。
婦人科形成についてよくある質問
Q. 下着に擦れて痛いのですが、小陰唇縮小術の対象になりますか?
A. 小陰唇が下着に挟まったり擦れたりして痛みがある場合には、小陰唇縮小術を検討することがあります。
ただし、痛みの原因が炎症や感染症など別の病気である可能性もあります。
診察で原因を確認し、小陰唇の形や大きさによる症状と考えられる場合には、手術をご提案します。
Q. 左右差があるのですが、片側だけ手術できますか?
A. 片側だけを整えることも可能です。
ただし、片側だけ小さくすると反対側とのバランスが変わることもあります。
そのため、診察では両側の形を確認し、片側だけ手術するのか、両側を整えるのかを一緒に決めます。
Q. 小陰唇が大陰唇から出ています。手術した方がいいですか?
A. 小陰唇が大陰唇より外側に出ていること自体は異常ではありません。
外陰部の形には大きな個人差があり、はみ出しているだけで治療が必要になるわけではありません。
一方、擦れや圧迫感がある、見た目が長期間気になっているなど、ご本人に明確な悩みがある場合には手術を検討することができます。
Q. 手術をすると感覚がなくなることはありますか?
A. 小陰唇縮小術では、感覚に関係する神経をできるだけ温存しながら手術を行います。
ただし、手術で組織を切除する以上、一時的なしびれや感覚の変化が起こる可能性はあります。
まれではありますが、感覚の変化、瘢痕、痛み、性交時痛などが残る可能性もあるため、手術前にリスクについて説明を受けることが重要です。
Q. デリケートゾーンの黒ずみも改善できますか?
A. 色の濃い辺縁部分を切除することで、以前より明るく見える場合はあります。
ただし、小陰唇縮小術は黒ずみそのものを治療する手術ではありません。
黒ずみが主な悩みの場合には、手術でどの程度変化が期待できるのかを診察時に確認してください。
婦人科形成とは?まとめ
- 婦人科形成は、外陰部の形や大きさ、左右差などを整える治療
- 代表的な治療は小陰唇縮小術で、副皮切除や陰核包皮切除などを組み合わせる場合もある
- 擦れや圧迫感など、日常生活の不快感をきっかけに治療を検討する方もいる
- 小陰唇の大きさ、形、色、左右差には非常に大きな個人差があり、はみ出しているだけで異常ではない
- 炎症や感染症が症状の原因の場合には、婦人科治療を先に行う必要がある
- 手術には腫れ、出血、感染、傷跡、左右差、感覚の変化、創離開などのリスクがある
婦人科形成について相談される方の中には、「こんなことで受診していいのか」と長く迷っていた方もいます。
見た目の悩みでも、下着との擦れなど機能面の悩みでも、ご本人が困っているのであれば相談する理由になります。
一方で、手術をしなくてもよい正常範囲であることも少なくありません。
まずは診察を受けて、ご自身の状態で手術が必要なのか、どこまで変化が期待できるのかを確認してから判断することをおすすめします。
婦人科形成の相談はリノクリニック東銀座へ
リノクリニック東銀座では、外科専門医が小陰唇縮小術を中心に、外陰部全体のバランスを確認しながら婦人科形成の診察・手術を行っています。
「小陰唇が大きい気がする」「左右差が気になる」「下着に擦れて痛い」「自分が手術の対象なのか分からない」といった段階でもご相談いただけます。
診察では、手術が必要かどうかも含めて状態を確認し、手術を行う場合には仕上がりのイメージやダウンタイム、リスクについて説明したうえで治療方針を決めます。
参考文献
- American College of Obstetricians and Gynecologists. Elective Female Genital Cosmetic Surgery. Committee Opinion No.795. Obstet Gynecol. 2020.
- Crouch NS, et al. Clinical characteristics of well women seeking labial reduction surgery: a prospective study. BJOG. 2011;118(12):1507-1510.
- Géczi AM, et al. Comprehensive Assessment of Labiaplasty Techniques and Tools, Satisfaction Rates, and Risk Factors: A Systematic Review and Meta-analysis. Aesthet Surg J. 2024;44(11):NP798-NP808.
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2026.09.14



