院長コラム
Face-Driven Planningとは?|これからのOGSに欠かせない顔貌起点の治療設計
「両顎手術を受けたいけど、どうやって治療計画を立てるの?」
「Surgery Firstって聞いたことがあるけど、自分に合うのかわからない」
「なりたい輪郭があるけど、それをどう伝えればいいのか不安」
両顎手術(OGS)や輪郭手術を検討される際、治療計画の立て方に疑問を持つ方は少なくありません。従来、治療計画はセファロ分析(頭部X線規格写真の分析)や咬合データなど、数値やデータを起点に組み立てるのが一般的でした。
当院の宮﨑院長は韓国・台湾で顎顔面手術を学ぶなかで、治療設計の出発点を「顔貌」に置くアプローチを実践してきました。当院ではこの考え方をFace-Driven Planning(フェイスドリブンプランニング)と呼び、日本のOGS・輪郭手術においても重要なコンセプトとして発信しています。
この記事では、Face-Driven Planningの考え方と、従来のアプローチとの違いについて解説します。
目次
この記事でわかること
- Face-Driven Planningの定義と基本的な考え方
- 従来の治療計画との違い
- Surgery First・Orthodontic Firstとの関係
- なぜこれからのOGSにこのコンセプトが重要なのか
Face-Driven Planningとは
Face-Driven Planning(フェイスドリブンプランニング)とは、顔貌を治療設計の出発点とするプランニングコンセプトです。
患者様が「輪郭をどうしたいか」という顔貌のゴールから、必要な骨格移動量・手術術式・矯正計画を組み立てます。咬合はClass Iセッティングを基本とします。
宮﨑院長が韓国・台湾で多くの症例に触れるなかで実感したのは、「データ上は正しくても患者様が望む顔にならない」ケースがあるということでした。数値ではなく顔を見て、そこから治療を組み立てる。この考え方を体系的に取り入れ、当院の治療設計の軸としています。
日本でも先日の顎変形症学会において、複数の形成外科医がこの考え方に近い発表を行っています。学会では「Face First」という表現が使われていましたが、Surgery FirstやOrthodontic Firstの「First」が治療の順序を意味するのに対し、この概念は治療の設計思想です。順序ではなく「何を起点にプランを組み立てるか」という話であるため、当院ではFace-Driven Planning(顔貌駆動型の治療設計)という表現がより正確にこのコンセプトを表していると考えています。
従来のアプローチとの違い
顔面骨格の治療計画には、大きく分けて二つのアプローチがあります。
従来のデータ起点のアプローチ
・セファロ分析で骨格の計測値を算出する
・計測値をもとに骨格移動量を決定する
・移動量に基づいて術式・矯正計画を組み立てる
・結果として顔貌がどう変化するかは、計画の「結果」として現れる
Face-Driven Planning(顔貌起点のアプローチ)
・患者様と「なりたい輪郭・理想の顔貌」を共有する
・その顔貌を実現するために必要な骨格移動量を考える
・移動量から最適な術式・矯正計画を組み立てる
・セファロ分析や咬合データは、実現手段として活用する
違いは「何を出発点にするか」です。データ起点では顔貌の変化は計画の結果ですが、Face-Driven Planningでは顔貌のゴールが計画の出発点になります。
セファロ分析やCTデータが不要になるわけではありません。これらは手術の精度を高めるために不可欠です。しかし、計画の出発点を「数値」ではなく「顔」にすることで、患者様が求める結果により近づけるという考え方です。
なぜ今、日本のOGSにFace-Driven Planningが必要なのか
日本のOGS(顎矯正手術)は、長らく保険診療を中心に発展してきました。保険診療では咬合の改善が治療目標の中心であり、セファロ分析の数値をもとに治療計画を立てることが標準的です。
一方で、宮﨑院長が学んできた韓国・台湾では自費診療のOGSが数多く行われ、「噛み合わせの改善」だけでなく「顔貌の改善」が治療のゴールとして重視されてきました。顔をどうしたいかという視点から治療を設計するアプローチが、多くの臨床経験のなかで磨かれてきたのです。
日本でもOGSの自費診療が増え、顔貌の改善を目的とする患者様が増加しています。「噛み合わせも大事だけど、顔のバランスをもっと良くしたい」「なりたい輪郭がある」という患者様に対して、データ起点だけの治療設計では十分に応えられないケースがあります。
これからの日本のOGSにおいて、Face-Driven Planningの考え方を取り入れることは、患者様の満足度を高めるうえで重要な転換になると考えています。
Surgery First・Orthodontic Firstとの関係
両顎手術の治療に関して、Surgery FirstやOrthodontic Firstという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
Surgery First(サージェリーファースト)は、術前矯正を省略または短縮して先に手術を行い、術後に矯正で咬合を仕上げる治療順序です。自費診療で行われるケースが多く、治療期間の短縮や早期の顔貌改善といったメリットがあります。
Orthodontic First(オルソドンティックファースト)は、まず矯正治療である程度歯を並べてから手術を行う治療順序です。日本の保険診療で広く行われている方法です。
これらはいずれも「治療の順序」を示す用語です。どちらを先にやるか、という話です。
一方、Face-Driven Planningは「治療の設計思想」を示す用語です。顔貌を起点に治療全体をどう組み立てるか、というプランニングの考え方そのものを指します。
つまり、Face-Driven PlanningはSurgery FirstともOrthodontic Firstとも組み合わせることができる上位概念です。顔貌起点で治療を設計し、実際の治療順序は症例に応じてSurgery Firstでも、アーリーステージの矯正を経て手術を行う方法でも、Orthodontic Firstでも選択できます。
自費診療ではSurgery Firstとの組み合わせが多くなりますが、保険診療のOrthodontic Firstにおいても、顔貌を起点に治療を設計するという考え方は十分に活かすことができます。
Face-Driven Planningが患者様にとって意味すること
Face-Driven Planningのアプローチでは、治療計画のスタート地点が「患者様がなりたい顔」です。
カウンセリングの段階で「どんな輪郭になりたいか」「顔のどこが気になるか」を丁寧にお聞きし、そこから治療計画を組み立てていきます。数値やデータは、その希望を実現するための手段として活用します。
これは患者様にとって以下のような意味を持ちます。
- 治療のゴールが「数値上の正常値」ではなく「なりたい自分の顔」になる
- カウンセリングの段階で完成イメージを共有しやすい
- 治療後に「想像していた顔と違った」というギャップが生じにくい
- 治療順序(Surgery First / Orthodontic First)は、ゴールを実現するための最適な手段として選択される
「自分がなりたい顔」を起点に治療が設計されるため、治療の方向性をより理解しやすく、納得感のある治療を受けていただけると考えています。
よくある質問
Q. Face-Driven Planningは新しい治療法ですか?
A. 新しい治療法ではなく、治療計画の立て方に関するコンセプトです。宮﨑院長が韓国・台湾での研鑽を通じて実践してきた考え方を体系化したものであり、日本のOGSにも取り入れていくことが重要だと考えています。
Q. Face FirstとFace-Driven Planningは同じ意味ですか?
A. 近い考え方を指していますが、当院ではFace-Driven Planningという表現を使っています。Surgery First・Orthodontic Firstの「First」は治療の順序を意味しますが、この概念は順序ではなく設計思想です。「顔貌が駆動する計画設計」というニュアンスをより正確に表すため、Face-Driven Planningとしています。
Q. セファロ分析やデータを使わないということですか?
A. いいえ。セファロ分析やCTデータは手術の精度を高めるために不可欠です。Face-Driven Planningでは、これらのデータを「顔貌のゴールを実現する手段」として活用します。計画の出発点が異なるだけで、使用するデータは同じです。
Q. Surgery Firstとは違うのですか?
A. Surgery Firstは「手術を先に行う」という治療の順序を示す用語です。Face-Driven Planningは「顔貌を起点に計画を立てる」という設計思想を示す用語であり、別の次元の概念です。Face-Driven Planningの考え方でSurgery Firstを選択することもあれば、矯正を先行させることもあります。
Q. 保険診療でもFace-Driven Planningの考え方は使えますか?
A. はい。保険診療のOrthodontic Firstの治療計画においても、顔貌を起点に治療を設計するという考え方は適用できます。
まとめ
- Face-Driven Planningとは、顔貌を治療設計の出発点とするプランニングコンセプト
- 宮﨑院長が韓国・台湾での研鑽を通じて実践してきた考え方を体系化したもの
- 従来のセファロ分析・データ起点のアプローチとは、計画の「出発点」が異なる
- Surgery First・Orthodontic Firstが「治療の順序」であるのに対し、Face-Driven Planningは「治療の設計思想」
- いずれの治療順序とも組み合わせることができる上位概念
- これからの日本のOGSにおいて、患者様の満足度を高める重要なコンセプト
「自分の場合はどのような治療計画が適しているのか」を知りたい方は、まずはカウンセリングでご相談ください。顔貌のご希望をお伺いしたうえで、最適なプランをご提案いたします。
リノクリニック東銀座の輪郭整形
当院では両顎手術・輪郭3点・エラ削り・オトガイ形成など、各種輪郭手術に対応しています。Face-Driven Planningの考え方に基づき、患者様の顔貌のご希望を起点とした治療設計を行っています。東京・銀座エリアで両顎手術や輪郭手術をお考えの方は、まずはカウンセリングでご相談ください。
当院の輪郭整形の症例写真はこちら
https://lino.clinic/case/rinkaku/
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この記事は医療広告ガイドラインに基づき、正確な情報提供を目的として作成しています。個々の症状・適応については医師の診断をもとに判断します。
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2026.07.04



