院長コラム
ゴボ口とは、上下の顎が前方に突出して見えることで、口元全体が前に出た印象になる骨格的特徴を指します。
単に「口が出ている」という印象だけでなく、口を閉じる際に強い力が必要になることが多く、その結果として顎先に梅干しジワ(オトガイ筋の過緊張)が出るケースがよく見られます。
宮崎院長が実際の診療で多く経験しているのは、「無意識に口を閉じようとして常に力が入っている状態」です。
これは癖ではなく、上下顎と顎先の位置関係が合っていない構造的問題によって起こります。
目次
ゴボ口の術前に多い骨格的特徴
ゴボ口の方を正面から見ると、Vライン自体は細く見えることも多い一方で、口を閉じたときに顎先に力が入り、梅干しジワが強調される傾向があります。
唇は相対的に厚く見え、口角が浅くなるため、口をすぼめたような印象になりやすいのも特徴です。
横顔で確認すると、上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)の状態であることが多く、Eライン(鼻先と顎先を結んだライン)を引いた際に、顎が不足している、もしくは口元がラインより前に出てしまうケースが目立ちます。
さらに、ガミースマイルを伴う場合や、上顎の傾き(咬合平面の前後傾斜)によって、顎先が左右どちらかにずれて見えることもあります。
ゴボ口に対する両顎手術とは
両顎手術とは、上顎と下顎の両方を移動させ、噛み合わせと顔貌バランスを同時に整える手術です。
ゴボ口の場合、単純に顎先だけを動かしても、口元全体の突出感や唇の緊張は十分に改善しません。
宮崎院長が重視しているのは、
「鼻・上唇・顎がバランスよく並ぶ位置関係」です。
そのため、上顎を後方へ移動させ、上下の唇の前後関係を調整しながら、必要に応じてオトガイ形成(顎先形成)を組み合わせてEラインを整えます。
両顎手術後の口元とEラインの変化
今回の症例では、両顎手術後6ヶ月時点で評価を行っています。
正面から見ると、口角は後方へ自然に下がりつつ横幅が出て、無理なく口が閉じられる状態になりました。
それに伴い、顎先の梅干しジワは消失しています。
斜めから見ると、口角の形そのものが変化し、顎先を短縮・調整することでEラインが整っています。
横顔では、鼻・口・顎が一直線に近づき、口元の突出感が大きく改善しました。
これは「顎を引っ込めた」結果ではなく、骨格全体の配置を再設計した結果です。
笑顔・ガミースマイルの改善設計
ゴボ口の手術設計では、静止時だけでなく笑ったときの口元も重要です。
宮崎院長は、前歯の見える長さを約9〜10mmに調整し、歯茎の三角部分がわずかに見える程度を一つの目安としています。
また、歯列の横方向の傾きも同時に調整することで、笑った際の口元が自然に見えるように設計します。
これにより、ガミースマイルの改善と同時に、笑顔の印象そのものが大きく変わります。
術後のむくみと軟部組織の考え方
ゴボ口の方は、術後にほうれい線の角度や、笑ったときの横方向の広がりを気にされることがあります。
これは、口元が前に出ていた状態に長年慣れていたため、位置が変わることで違和感を覚えやすいためです。
術後2〜3ヶ月はむくみが残るため、この時期にボリューム評価を行うのは適切ではありません。
3ヶ月以降、状態を見ながらHIFU、RF、糸リフト、脂肪溶解注射などを検討し、5〜6ヶ月かけて軟部組織を整えることで完成度を高めていきます。さらには7〜9ヶ月あたりでも軟部組織にアプローチできると、1年目の仕上がりに差が出てきます。
医師の知見として伝えたいこと
リノクリニック東銀座では、骨格だけでなく、表情・筋肉の使われ方・術後の経過変化まで含めて評価することを重視しています。経験上、術後矯正や体重変化によっても口元の印象は変わるため、
「一度で完成」ではなく、経過を見ながら仕上げることが結果的に満足度を高めると考えています。
まとめ|ゴボ口は骨格診断が重要
ゴボ口に対する両顎手術は、見た目だけでなく、口元の緊張や表情の癖まで含めて改善する治療です。
自己判断ではなく、専門的な診断を受け、自分の骨格と適した治療を知ることが何より重要です。
よくある質問(Q&A)
Q1. ゴボ口は必ず両顎手術が必要ですか?
A. 骨格の状態によります。軽度の場合は他の治療が適することもあります。
Q2. 両顎手術後のむくみはどれくらい続きますか?
A. 個人差はありますが、2〜3ヶ月は残ることが多いです。
Q3. 術後に追加治療は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、仕上がりを高めたい場合に検討されます。
Q4. 矯正だけでも治りますか?
A. 抜歯して行う矯正でもある程度は口元が下がりますが、ガミースマイル、口角の位置や奥行き感、顎先の長さや形は変えることができないため、総合的にパーツ配置を整えた場合は、両顎手術も合わせて検討することをお勧めします。
監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2026.01.25




