院長コラム
目次
骨切り手術で失敗する原因とは
骨切りやオトガイ形成は、輪郭を大きく変える美容整形です。顎の長さやフェイスラインを整える目的で選ばれることが多いですが、「顎を短くしたい」「小顔になりたい」という希望から、安易にオトガイ形成だけを進めるクリニックもありますが、医師の言葉を信じでオトガイ形成を行った結果、仕上がりに不満を感じる方もいることが事実です。
骨切り手術の失敗は「顎が短くなりすぎた」だけではありません。輪郭のバランスが崩れたり、噛み合わせが悪化したり、横顔のラインが不自然になることもあります。
骨切り失敗の典型的なパターン
・顎を短くしすぎて「顎なし」状態になる
・左右の非対称が強調される
・口元が突出したままで受け口感が残る
・噛み合わせに違和感が出る
これらの原因は、顎だけに注目したデザインで手術を行ったことにあります。
顎だけ削る手術で起こるリスク
「顎を短くすれば小顔になる」と考えるのは誤解です。顎を切るだけでは、Vラインのバランスが崩れ、Uラインが強調された丸顔になったり、横顔で受け口感が残ったりします。また、顎先の骨を削りすぎると、立体感が失われ、平坦な顔立ちになることもあります。
小顔目的でオトガイ形成のみ行うと
顎が長いと感じてオトガイ形成を受ける方がいますが、、オトガイだけを短くすることで、かえって中顔面とのバランスが悪化することがあります。さらに、顎を短くしても広角の下がりや唇の前突感は解消されません。顔全体のバランスを無視した施術は、長期的に見て満足度が低くなる傾向があります。
骨切り後に違和感を感じる理由
「顎を短くしたのに、なぜバランスが悪いの?」と思うかもしれません。実は、その理由は顎だけではなく顔全体の骨格構造にあります。
顔のバランスが崩れるメカニズム
横顔の美しさを決める要素は、顎の長さだけでなく、上顎と下顎の位置、口元の突出度、中顔面の立体感です。オトガイだけを短くしても、中顔面の低さや広角の下がりが残っていれば、横顔で見たときの不自然さは消えません。
受け口感や丸顔が残るケース
顎を短くすると、VラインがUラインに近づき、顔全体が丸く見えることがあります。他院で骨切り手術をして「女性らしい輪郭を目指したのに、かえって幼い印象になった」という相談もあります。
修正手術の方法とポイント
失敗した骨切り手術を修正するには、顔全体のバランスを整える高度なアプローチが必要です。単なる追加削りやプレート除去では改善できないケースも多く、骨の再構築や移動を伴うことがあります。
両顎手術+骨移植の組み合わせ
顎先の骨が不足している場合、骨移植を行って形を再構築します。さらに、上顎や下顎の位置を両顎手術で調整し、噛み合わせと広角の位置を整えることがポイントです。これにより、自然なEラインを作ることができます。
Vライン形成で自然な輪郭に
角ばった下顎や横幅が気になる場合は、ミニVライン形成を併用します。オトガイ形成だけでは補えなかった輪郭の調和を取り戻すため、顎先だけでなくフェイスライン全体をデザインすることが重要です。
他院で失敗!オトガイ整形後に受け口に
今回の症例は、他院でオトガイ形成のみを行った結果、顎がなくなったケースです。切ってしまった顎先の骨を補うために骨移植を行い、さらに両顎手術で中顔面の立体感を出し、輪郭全体を整えました。
術前は顎が長く、オトガイ形成で短くしましたが、その結果、顎先の骨が不足し、顔の下半分に違和感が残りました。「小顔になりたい」という希望で手術したものの、仕上がりに満足できず、再手術を希望されました。
修正で骨を補いEラインを再構築
骨移植で顎先のボリュームを補い、上顎をわずかに前方移動することで広角を引き上げ、自然なEラインを形成しました。術後の横顔は、唇と顎先が一直線に整い、バランスが改善しました。
修正手術の注意点とリスク
修正手術は、初回手術よりも難易度が高く、リスクも増します。
骨移植後の骨吸収リスク
移植骨は術後に吸収されることがあります。これを防ぐためには、適切な固定と、術後の安定した管理が必要です。
二次手術の難易度とCT診断の重要性
再手術では、骨の癒着やプレートの残存状態を確認する必要があります。CT撮影による精密診断は不可欠で、これにより術式や移動量の正確な計画が可能となります。
修正を考えている方、リノクリニックへ
当院では小顔になりたい、受け口をなおしたい、顎を短くしたい
そんな方にも顎だけでなく、顔全体のバランスをみながら最適なご提案をしております。
当院では、3DシュミレーションのクリサリスクとCTを使用して、噛み合わせから全方向のお顔の美しさやバランスを見ながらカウンセリングを行います。
カウンセリングで確認すること
・過去の手術歴と切除範囲
・骨の状態と移植の必要性
・希望するデザイン
術後シミュレーションの有効性
3Dシミュレーションは、再手術の仕上がりをイメージしやすくし、患者と医師の認識を一致させるのに役立ちます。
再手術を検討する際の注意点
再手術を決める前に、以下を準備しましょう。
・前回の手術記録や写真を持参
・改善したいポイントを具体的にリスト化
・複数の専門医で相談し、治療方針を比較
よくある質問(FAQ)
Q1. 骨切りの失敗とはどんな状態ですか?
A. 顎が短くなりすぎた、横から見た時の印象が気に入っていない、輪郭が不自然、受け口感が残る、左右差が強調されるなどです。
Q2. 修正手術のダウンタイムはどのくらいですか?
A. 両顎手術を含む場合、腫れは2〜3週間、完全な回復は3〜6か月が目安です。
Q3. 骨移植は必ず必要ですか?
A. 顎先の骨が不足している場合に必要ですが、骨切り後の骨の状態によります。当院では、カウンセリング時にCTを撮影し、骨の状態から最適な治療をご提案いたします。初回カウンセリングはCT付で無料のため、修正を検討されている方もお気軽にご相談ください。
Q4. 再手術は初回より難しいですか?
A. はい。癒着や骨の変形があるため、難易度が高く、経験豊富な医師による対応が必要です。当院では、記事で紹介した症例のような修正にも対応しております。悩んでいる方は、ご相談ください。
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監修者情報

宮﨑 邦夫
リノクリニック東銀座 院長【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員
消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。
監修日:2025.08.07