院長コラム

横顔を変える骨切り治療

横顔の印象は、鼻・唇・顎・首が⼀本の流れとしてつながることで完成します。
非手術で整えられる部分も多くありますが、骨格そのものの位置が原因で横顔の流れが乱れている場合、ヒアルロン酸やボトックス治療、脂肪治療だけでは限界が出てしまうケースが確実に存在します。

そのため、横顔の悩みの中には骨の位置そのものを整える骨切り治療が解決策になることがあります。

骨切りとは、骨を削る治療ではなく、骨の位置を“本来あるべき場所”に配置し直し、鼻→口→顎→首のラインをデザインとして整える治療です。

男性は皮膚が厚く、筋肉が強く、輪郭の影が濃く出やすいため、位置を整えると横顔が劇的にスッキリしやすいという特徴があります。

骨切りが必要な横顔の特徴

ヒアルロン酸やボトックス、歯科矯正などの非手術で十分に改善が出る方もいますが、
以下の特徴がある場合、骨格の位置に原因がある可能性が高くなります。

口元が前に出ている(上下前突)

土台となる上顎・下顎が前方に位置しており、
横顔に「厚み」や「重さ」が出てしまうタイプ。
Eラインが崩れ、清潔感を損ないやすくなります。

顎先が弱い(後退顎)

顎が後ろに下がっていると、横顔下1/3の軸が消え、
輪郭がぼんやりして頼りない印象に見えることがあります。

顎が長い・しゃくれて見える

顎先が下方向に落ちて見える状態。
比率が崩れやすく、横顔全体の流れが乱れます。

エラ周囲の影が強い(骨格の形が原因)

男性に多い特徴で、筋肉ではなく骨格レベルで影が出ている状態。
横顔が“ごつごつ”した印象になります。

下顎全体が前方・左右にズレている

噛み合わせのズレ、顎先の位置の乱れ、
横顔の影の出方に大きく影響します。

こうした状態は、非手術では「足す」「減らす」治療をしても根本的には変えられない領域です。

だからこそ骨切りで“位置”を整える必要があります。

【悩み別】代表的な男性の骨切り治療

顔のどこに“ズレ”があるかで、選択する治療が変わります。
ここでは代表的な悩みと適応になりやすい施術をまとめました。

①口元が前に出ている

→ 両顎手術

上顎と下顎の土台を後方に移動することで、横顔の厚みが消え、Eラインも自然に整います。

・口元のもたつきが改善
・顎下の影が軽くなる
・清潔感が大幅に向上

特に男性で変化の大きい施術です。

② 顎が短い(後退顎)

→ オトガイ形成

顎先を前へ移動し、横顔下1/3の“軸”をつくる治療。

・輪郭がシャープに
・Eラインが整い横顔イケメンに
・顎下のラインも自然につながる

ヒアルロン酸で限界を感じた方に適応されやすい施術です。

③ 顎が長い・しゃくれて見える

→ オトガイ短縮・後方移動

顎先の高さ・位置・奥行きを整え、
横顔全体の比率をバランス良く整えます。

・長さの調整
・大きな顔から小顔へ
・柔らかいラインに近づく

印象が強すぎる男性に多い悩みです。

④ ごつごつした輪郭(エラ・下顎角)

→ 下顎角・下顎体形成

エラが張っていると顔がごつごつした印象になりやすいため、エラを滑らかに整えることで、
“自然な流れ”のある輪郭に仕上げます。

・骨格由来のゴツゴツした印象を軽減
・首とのラインが美しく整う
・男性でも柔らかい印象にできる

⑤ 下顎全体のズレ

→ 下顎枝矢状分割術(SSRO)

顎全体の軸を整える施術。
顎先だけの治療では改善できないズレに対して有効です。

・噛み合わせの改善
・横顔の流れがスッと整う
・首から顎のラインも自然に

⑥ 横顔の平坦さ

→ オトガイ位置の前方+下方微調整や両顎手術

顎の位置を少し整えるだけで
横顔に立体的な“流れ”が生まれます。

鼻を触らずに横顔の印象が変わるため、
男性の人気が高い治療です。

骨切りは“流れを作るデザイン”

横顔の美しさは、
パーツの良し悪しではなく、
鼻→唇→顎→首が一筆書きのようにつながるかどうか。

骨切りはそのための“位置デザイン”です。

・顎先の迷いが消える
・口元の重さが減る
・顎下と首の境界が出る
・横顔の影が整う

仕上がりが自然で、
「どこを変えたのか分からないけれど印象が良くなる」
と言われることが多い理由もここにあります。

骨切りを選ぶ男性の特徴

当院では、男性の骨切り相談は年々増えています。特に当院では以下の職業・背景の方が多い傾向にあります。

ホスト・ナイトワーク

接客業では“第一印象”が重要視されるため、正面だけでなく横顔のバランスまで整えたいという相談が多く見られます。顎の位置や口元の奥行きを整えることで、自分らしい表情がつくりやすくなります。

インフルエンサー・配信者

動画・ショート動画が主流となっている今、動画でお顔を小さく見せたいと相談される方もいます。

営業・経営者

名刺写真・SNSプロフィール・オンライン商談など、人と対面する場面が多く、横顔まで含めた“印象の整合性”を求める方が増えています。
顎先や口元のバランスが整うことで、表情の見え方や清潔感がより安定し、自己ブランディングの一部として横顔を整えたいというニーズが高まっています。

性自認に沿った輪郭を求める方(MtF・FtM・トランスジェンダー/ノンバイナリーなど)

「今の顔つきが、自分の性の感覚と少し違う気がする」──
そんな思いから相談に来られる方は、実はとても多いです。

横顔の輪郭・顎の形・口元の厚み・エラの張り方は、
“男性らしさ”“女性らしさ”を左右しやすいパーツのため、
性自認に合わせて自然なラインに整えたいというニーズが幅広く見られます。

特に、

  • “もっと女性らしい丸みがほしい”(MtF)

  • “もっと男性的なシャープさがほしい”(FtM)

  • “どちらかに決めず、自分らしい中性的な横顔にしたい”

  • “今の輪郭が自分の性の感覚にしっくりこない”

こうした悩みはとても自然で、決して珍しいことではありません。

顎先の形・フェイスライン・口元・下顔面の長さなどは、
骨格レベルで印象を調整できる骨切りがフィットしやすい領域のため、
“なりたい自分らしさ”に寄せて丁寧にデザインしていくことが可能です。

横顔のラインを整えることは、
「もっと自分らしく生きたい」という願いを形にするサポートでもあります。

海外在住者(欧州・アジア)

横顔文化が強い国で生活している方は
プロファイルラインへの意識が高く、骨切り相談が増加。

術後イメージを共有できる3Dシミュレーション

骨切りの不安の多くは
「どれくらい変わるのか想像できない」という点にあります。

当院では、
CTデータ × 3Dシミュレーション(Crisalix)を組み合わせることで、

・顎先を数mm動かすとこう見える
・口元が後退すると影がこう変わる
・輪郭ラインはこう繋がる

という未来の横顔を、
患者様と医師が“同じ画面で共有”できます。

「やってみないと分からない」を無くすことが
治療の満足度を高める鍵になります。

よくある質問

Q1. 骨切りは痛みが強い手術ですか?

A:当院の全身麻酔は、手術中を通して麻酔科専門医が管理を行っています。
麻酔の深さ・呼吸・循環動態を細かく調整し、患者様の安全を最優先に進めています。

また、手術中および術後の痛みに対しても、
鎮痛薬の併用や持続的な痛みのコントロールを行い、負担をできるだけ軽減する体制を整えています。

ただし痛みの感じ方には個人差があります。
ご不安がある場合は、カウンセリング時にどのような点が心配か、
遠慮なくご相談ください。状態に合わせて最適な麻酔・鎮痛方法をご提案いたします。

Q2. 骨切りをすると不自然になりますか?

A:当院の骨切り手術は、“削る量”ではなく、骨格の位置を適切に整えるデザインを大切にしています。不自然な仕上がりになるケースの多くは、必要以上に骨を削ってしまう治療によるものです。

私たちは、輪郭そのものを無理に細くするのではなく、
本来あるべき位置へ導くことで自然な美しさを作る方針を徹底しています。

カウンセリングでは、
「もっと細くしたい」「ここを大きく変えたい」
といったご相談をいただくこともありますが、
変えすぎることで将来的に不自然になるリスクも正直にお伝えしています。

いまは“人生100年時代”。
術後すぐの満足だけでなく、10年後・20年後も「やってよかった」と感じられる輪郭を重視しています。自然で、年齢を重ねても馴染み続けるデザイン。それが当院が大切にしている骨切り治療です。

Q3. 治療後のイメージがつきません。

A:当院では、3Dシミュレーションを用いて術後の横顔を立体的に確認することができます。

スイス発の先進的システム「Crisalix(クリサリクス)」を導入している施設は国内でも比較的少なく、
より精密なイメージ共有が可能です。

手術者と患者様が同じ“完成イメージ”を共有することは、骨切りにおいて非常に重要なプロセスです。

「どの程度変わるのか」
「自分の顔に馴染むのか」
「自然な仕上がりになるのか」

こうした疑問を視覚的に確認しながら相談できるため、納得度の高いカウンセリングと手術計画につながります。

監修者情報

宮﨑 邦夫

リノクリニック東銀座 院長

【資格・所属学会】
日本外科学会専門医 / 日本外科学会会員 / 日本形成外科学会会員 / 日本頭蓋顎顔面外科学会会員 / 日本美容外科学会会員

消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科など外科研修ののち、外科専門医を取得。その後、形成外科で6年、美容外科で7年実績を積み、リノクリニック東銀座を開業、院長を務める。美容外科の技術は韓国や台湾、アメリカなどへ出向き、良質な技術を取り入れて日々の診療に生かしている。 2014年から在籍していた湘南美容クリニックでは指導医として若手美容外科医の教育にも尽力し、同院で行われた美容外科コンテストで2年連続ではグランプリを獲得。次の東京美容外科では骨切りメニューの立ち上げを行い、スタッフ教育にも尽力した。

監修日:2025.12.17

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